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大晦日の特番と律仁さん⑩

律仁さんの·····アイドルのお嫁さんだなんて想像したことない。今こうしてお付き合いをしているだけでも奇跡に近いのに生涯の伴侶だなんて誰が考えただろう。 「それとも婿がいい?」 「そ、そ、そ、そういう問題じゃないです。お、俺だって律仁さんとずっと一緒にいられたらいいとは思うけど、まだ結婚とかまでは考えられなくて。それにそれでこそ両親に打ち明けて両家に挨拶とか段取り組まなきゃ……」 ぶあっと汗を滲ませながら必死の思いで答えていると律仁さんの笑い声が耳元で響いてきた。 「ははは、渉太焦りすぎ。そんなに真面目に身構えないで、今すぐにって訳じゃないから。でも、それくらい渉太のことを愛しているのは心得ておいてね」 「心得てって言われても……そんなのどうしたらいいか……」 背中から感じる律仁さんの体温と心臓の鼓動。頭がクラクラするほどの甘いひと時にほろ酔い気分でいると、耳たぶを甘噛みされた。 咄嗟のことに身体をビクリと震わせると「まったりタイムは終わりでいい?」と耳元で囁かれ、熱を帯びた瞳で見つめられて、渉太は生唾を吞み込む。 今自分は世界一幸せ者であることは自覚している。 憧れの人に·····好きな人にこんなにも愛されているんだから·····。 軽く背後から唇に口付けをされるとそのまま腰を持ち上げられて、立ち上がっては、律仁さんに背中を抱かれながら寝室は向かう·····のかと思えば浴室の前で立ち止まった。 「り、律仁さん、ここで大丈夫ですっ。俺、先に入ってくるんで寝室で待っててください……」 「やっぱり駄目。渉太と入りたい·····一分でも一秒でも渉太との時間を無駄にしたくないから。ダメ?」 「だ、ダメって言われても·····は、恥ずかしいです·····」 「·····その恥ずかしい姿を俺はみたいなーって思ってるんだけど·····」 渉太の奥底で眠る性欲を掻き立てるように耳元を甘噛みされて、舌で縁を舐められる。 「ひゃっ·····」 「どうする?そのままするか、一緒にお風呂に入るか」  「お互い終わるまで待つって言う選択肢はないんですか?」 「そんな選択はありません。俺、今猛烈に渉太と離れたくない気分だから、このままお風呂でもトイレにでもついていく気でいるけど?」 「と、と、トイレって……ひゃ‼」 やはり恥ずかしさから律仁さんとシャワーに浴びる行為に抵抗はあるが、良いと返事を聞くまで食い下がる気が毛頭ないのか集中的に耳元を責められた。

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