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第二章・5

 目覚めた悠は、自分の置かれた状況が解らなかった。 「どこ、ここ」  やけに広い、上品な部屋。  いつまででも眠っていられるような、心地よい大きなベッド。  気怠い身体。  上半身だけ起こしてぼんやりしているうちに、眠る前のことが思い出されてきた。 「あの人と、エッチしたんだ」  激しく、甘い、ひととき。  疲れて眠ってしまった悠の体には、バスローブの代わりにぶかぶかのパジャマが着せられていた。 「うわぁ……」  熱く火照る頬を両手で挟み、悠は溜息をついた。  こんなに人に優しくしてもらうのは、初めて。  ベッドサイドにあった水差しからグラス一杯の水を飲むと、ベッドから起き出した。 「はは。ふらふらする」  それだけ、強く抱かれた、ということだ。  リビングに行ってみると、そこには本を読んでいる慎也がいた。

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