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第四章・2
「慎也さんの第二性は、αでしょ?」
「そうだ」
「やっぱり。当たったぁ!」
「……」
会話が続かない。
「僕の第二性は何か、とか訊かないのかな?」
「興味がない」
「少しは興味持ってよ。僕はね、Ω」
「そうか」
会話が続かない。
それでも悠は、自分からいろいろと慎也に話しかけた。
幼い頃から、Ωを理由にいじめられていたこと。
両親の虐待に耐え兼ね、家を出たこと。
いつか、大金持ちになりたいこと。
「なぜ、金持ちになりたいんだ」
「贅沢したいんだ。それに、今まで関わった人間を、見返してやりたいんだ!」
慎也さんみたいな、すごいマンションも買いたいな。
無邪気に夢を語る悠に、慎也は物憂げな口調だ。
「やめておけ。金持ちなんて、ろくなことが無い」
「どうして?」
「詮索するな」
慎也はそれで話すことをやめ、食事を終えて席を立ってしまった。
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