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第五章・7

「うぅ、う。あぁ、あ。はぁ、はぁ、はぁ、あぁん……」  口で荒い息を吐きながら痙攣する悠の身体を、慎也はそっと抱きしめた。  壊れ物を扱うように、大切に。 「悦かったか?」 「あぅ……」  涙を、唾液を流して悦がった悠は、しばらく動くことができなかった。 (僕のナカに……、慎也さん……、初めて……) 「なぜ、泣く」 「嬉しいから」  同じ人に3回抱かれた。  しかも、今日はスキン無しで。  売りをやっていた時のセックスとは、絶対的に違う気持ちを、悠は味わっていた。 「嬉しいよ、僕。すごく、幸せだよ」  そんな純粋な悠の想いをぶつけられ、慎也は困惑していた。 「私に抱かれることが、そんなに嬉しいのか」 「嬉しい」 「幸せか」 「最高に、ハッピー」  なぜだ、と的外れな慎也の質問にも、悠はていねいに応えた。 「だって僕、慎也さんのことが好きなんだもん」  ヤクザを好きになんか、なるな。  そう言いかけて、慎也はやめた。  この南の島にいる間は、そういったしがらみを捨てよう。  そう思わせる、悠の純粋な言葉だった。

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