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第七章・4

「最後くらい、裸で抱いて欲しいな」 「お前を、怖がらせたくない」  ああ、そうだ。  慎也さんは、ヤクザだった。  その肌には、きっと恐ろしい刺青が彫られているのだろう。 「じゃあ、お願い。キスして」 「キス、か」  おずおずと、慎也は悠の唇にキスをした。  ゆっくりと圧をかけ、舌でリップを舐めた。  悠は慎也からのキスを受け、鼻の奥がツンと痛んだ。  涙が出そうだ。 (これが最初で最後の、慎也さんからのキス)  舌を絡め、互いを慈しんだ。  技巧に頼らない、素直なキスだった。 「これでいいか?」 「うん」  かすれた声で二人ささやきあうと、互いの身体に溺れていった。  悠はすぐさま慎也のペニスを口に含むと、強く吸った。  舐めしゃぶり、舌を這わせて味わった。  口に収まりきれないほどに、慎也のものは硬く大きく育つ。  ゆっくりと腰を使われ、悠は少しむせた。 「大丈夫か」 「んんッ」  柔らかな喉奥で受け止め、その時を待つ。  意外に早く、悠の咥内に慎也の精は放たれた。 「っく、ぅん! んぁ、ん。んんぅ……」  一滴も逃すまいと、喉を鳴らして飲んだ。  ペニスを舐め、残液さえ口に収めた。 「僕、巧かった?」 「ああ。つい、出してしまった」  すまなかったな、と身体を抱く慎也に、悠は腕を絡ませ甘えた。  

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