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生餌。

???side 「…では――私の存在が昇竜会にバレ……  私への納品リストも向こうの手に渡った可能性があるワケですね?」 「ッ…残念ながら…」 「ハァ…困りますねぇ…江口さん…  顧客の情報はもっと慎重に扱ってもらわないと…信用問題に関わりますよ?」 「ッ、けど…っ、ファイルや資料に保存されている顧客の名前は  全員アルファベット一文字表記だからアンタの本名までは…!」 「…本名がバレていなくとも……彼らが私への納品リストを見れば…  いずれ私の正体に辿り着くのは時間の問題でしょう…  何しろ私に納品された人間のほとんどが昇竜会絡みですから…」 「っそれは――」 「まあいい…ところで江口さん…貴方――逃走資金は十分ですか?」 「え…?」 「…だって貴方今――追われてるのでしょう…?昇竜会に…  だったら…逃げ切るためのお金は必要でしょう?」 「援助して……頂けるので…?」 「当たり前でしょう!貴方と私は一蓮托生…  貴方が捕まれば私の正体があちらにバレてしまいますからね…  貴方には是非、逃げ切ってもらわないと…」 「ッじゃあ…!」 「コチラに――とりあえずの資金として一千万をご用意いたしました…  コレを使って先ずは足を確保された方がよろしいかと…」 高級な革張りソファーに座る恰幅の良い男性が… 自分の隣に立つ黒服の男性に目で合図をすると 男性がドンッ!と手に持っていた黒革のボストンバッグをテーブルの上に置き―― ジジッ…とチャックを引いて江口にバッグ中身をチラリと見せる… すると中には確かにまとめられた札の束が何束も入っているのが見え… 江口がゴクリ…と喉を鳴らす 「ッ…確認させていただいても…?」 「どうぞ。」 江口はバッグに手を突っ込み… 札束の中のから適当に選んだ一つを掴み取り―― パラパラとめくってその札束を確認する 「…本物……みたいですね…」 「当たり前でしょう!ひょっとして貴方は私が三流映画の悪役のように…  貴方が偽札で油断しているところに私がバンッ!と貴方を拳銃で撃って――  此処で貴方を殺すとでも…?」 「ッ、それは……」 「フフッ……しませんよ。そんな事……  でもまあ確かに――今ここで貴方を殺しておいた方が…  私にとっては都合のいい事かもしれませんがねぇ…」 「ッ、」 恰幅の良い男性の言葉に… 江口の表情が強張る… 「ンフッ…冗談ですよ…江口さん…そんなに怖がらないで…  第一貴方にはまだ……やってもらう事がありますからね。」 「!それは――例の榎戸の…?  しかしこんな状況では――」 「…それとはまた別ですよ。  それより何かありましたらコチラに…」 男性が一枚の電話番号が書かれた紙を江口に差し出す 「…コレは?」 「逃走資金が尽きた時にソチラにお電話頂ければ――  すぐにコチラでお金をご用意させていただきますので…  では江口さん…よい逃亡生活を…」 男性の言葉に江口は弾かれたように顔を上げると 目の前に置かれたボストンバッグを手に取り… 足早に高級クラブの個室を後にし―― ソレを見送った男性が、隣に立つ黒服の男に声をかけた 「岩田。」 「…はい。」 「準備は?」 「…すでにクラブの外に2人を待機させてあります。」 「では……その者達に暫くの間彼を監視させ――  彼がこの男に接触したら私に報告するよう伝えなさい。」 そう言うと男性は一枚の隠し撮りしたと思われる人物の写真を 黒服の男に手渡す 「…この男は?」 「…彼こそが昨日潰れたバウンティハンターの隠れたリーダーであり…  後2つ存在するバウンティハンターを纏めている真のリーダーですよ…  江口君はただの飾りです。    そして恐らくこの男が持っている事でしょう…  “例の証拠”を…」 「!」 「ですので――江口君からは決して目を離さないように…  それと江口君がもし、彼と接触する前に昇竜会に捕まりそうになったら――  やむを得ません…  江口君を始末するよう彼らに伝えなさい……  “例の証拠”は取り返したいですが――  彼が昇竜会に捕まってしまっては元も子もありませんからね。」 「…かしこまりました。」 黒服は静かに男性に一礼すると、何処かに電話をかけ始め… 男性はブランデーを仰ぎながら考えを巡らせる ―――それにしても……納品リストが向こうの手におちたのは痛いですね…    恐らく久米はもう…加納の名前を目にしている事でしょうし――        久米が何かに気づく前に……コチラも早く手を打たないと…

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