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第5話

「さぁ、今度はお前の番だ。ズボンを脱いで性器を扱け」 「ちょっ……何を言ってるんだ? サナ!」  真剣な眼差しをサーディアンに向け続けるサナは、なんの躊躇もなくガーシュインに言った。 「夫婦の営みをのぞき見するような悪趣味な奴には、お似合いの罰だろう? さぁ、さっさと自慰を始めろ。最初から最後まで俺が見ていてやる」 「サナ……」  ベッドから降りたガーシュインは、サナのサーベルを取り上げると、そっと鞘に戻した。  サナだって本気ではなかったのだ。  ただ、自分の痴態を見られて頭にきていただけだった。 「サーディアン殿。何も我々の営みを見に客室へ来たわけではないだろう? 何か用事があったのではないか?」 「さすが、ガーシュイン王。よくわかっているな。おかげで美しいサナ王妃の前で、自慰をしないですんだ」  実は、サナやガーシュインたちが乗っていた船は、一週間ほど前に『地獄の海賊王』と恐れられるサーディアン一団に乗っ取られていたのだ。  これはお忍びの船旅だった。    家族揃ってなかなか出かけることができない多忙なサナ一家は、なんとか一週間という時間を作り、ガーシュインの所有する美しい白木でできた船に乗り、旅をしていた。

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