8 / 102
第8話
「まぁ、いつもの話の繰り返しになるが、あんたの国の半分を俺にくれ。そうすれば可愛いリンリンはすぐに開放するし、あんたたちも白木の船で自国に帰れる。半分になった自国にな」
口角を上げて笑ったサーディアンは、両膝の上に両肘を置くと、組んだ指の上に顎を乗せた。余裕の塊のような姿で。
しかし、ガーシュインはすぐに首を横に振った。
「それはできない」
「なぜ? あんたの国は、あの大陸の半分を占めるほどの領土がある。鉱物も測りきれないほど埋まっていて、文化的にも発展している。この俺に国を半分くれれば、兄弟国として共に発展するだけじゃなく、俺たちがこれまで手にしてきた、珍しい金銀財宝を国宝にすることもできる。言っちゃ悪いが、軍事力だってさらに上がるんだぞ?」
「では、そなたは我が国の半分を手に入れて、一体どうする? 国民の幸せを絶対保証できるのか?」
「もちろんだ。酒や女に溺れて、国をダメにするようなことは絶対にしない。国民を一番に考えた政治を行うつもりだ。偉い教授や思想家の話も聞くし、税金だって酷い取り立てはしない。むしろ今より下げてもいいと思っている」
「なぜ、そこまでして国が欲しいんだい? サーディアン船長」
ともだちにシェアしよう!