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第17話
そしてサナも、その期待を裏切らないように、良き妃として振舞ってきた。そのせいか、追っかけまでできるほどの熱狂的なファンがつく妃となり、今では街で買い物をする時、警備兵が護衛に着くほどの人気者だった。
(考えたくはないが、内部に密通者がいるんだろうか……)
しかし、密通者がいたとしても、なぜのとタイミングを狙ったのだろう。親しいもの同士の旅行など、よくあることなのに。
「おやおや、サナ様。難しい顔をして、何を考えていらっしゃる?」
広い甲板の上で、三角帽子のサーディアンが親しげに肩を組んで、寄りかかってきた。香水の香りなのか、爽やかな森林を思わせる香りがする。
「これほどの海の広さと、お前たちの強さだ。これまでだって狙える船はいくつもあったはず。それなのに、なぜ俺たちの船を狙った?」
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