22 / 102

第22話

 ガーシュインはそのまま妻がしたいようにさせていた。  するとサナは、反り勃った切っ先に自らの蕾を押し当て、ゆっくりと腰を下ろしてきた。  「あぁ……」  ブラウスの上から乳首を摘まんで転がしてやると、サナはしなやかに背を逸らし、美しく喘いだ。  その姿に刺激されない雄などいない。  ガーシュインはサナのブラウスを開けさせると、厚く熱い舌でその粒を舐め上げた。 「やぁ……ん、ガーシュ……もっと、もっと……」    サナは絹のようなゴールドブラウンの鬣に指を差し入れ、夫の頭を抱きしめた。    それに刺激されて、ガーシュインが腰を揺らすと、しなやかな両脚を強く腰に回した。 「あぁ……突いて……もっと、激しく……っ!」    足りないとばかりにせがまれて、ガーシュインの腰の動きも激しくなる。 「あん、あぁ……やぁ……っ」  図書室の机に寝かされ、激しく腰を突き入れられ、サナの眦から涙が零れた。  それを舐め取ってやると、まるで弱々しい子どものようにサナはガーシュインの首に抱き着いてきた。 「愛してる。俺にはお前しかいない、ガーシュイン……」 「サナ」 「俺のすべては、お前のためにある。だからもしも死を迎えるならば、お前の手で殺してほしい……」 「そんなことを言うな。俺のために、もっとずっと一緒に生きよう、サナ」  人生は楽しむものだぞ? そう囁くと、サナは泣き笑いのような顔でクスクスと笑った。「そうだな」と。  戦場で多感な時を過ごしたサナは、生きるか死ぬかでしか物事を考えられない。  攻撃してくるものは容赦なく切り捨てるし、守らなければいけないものは、命を()してでも守る。  それがサナ・イルリーナ・セルドバルトという男だった。  

ともだちにシェアしよう!