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第46話
(本当にガーシュインによく似てきたな……)
サナはそんな時、いつも実感するのだ。
成長すればするほど父親に似てくる、息子の尊さを。
***
白木の船に戻ったのは、サーディアンからの提案から3日後のことだった。
リンリンは人質として、海賊船に残すように言われた。
サナとガーシュイン、ハルカとリョウジ、そして数名の侍女のみが、横付けされた白木の船に板を渡して乗り移った。
その際も海賊たちは紳士的で、侍女に手を差し出して、板の上を安全に渡れるよう、手助けしていた。
白木の船の操縦はサーディアンが自ら行い、船上時間は15分と決められた。
サナはまず自分たち一家の寝室へ向かい、使い慣れた剣と、リンリンの大事な親友である、ぬいぐるみのランランを脇に抱えた。
そして廊下に出ると、ガーシュインは身支度用具一式を侍女に渡しているところだった。
「良かったな、ガーシュイン。これで爪が研げる」
サナが口角を上げると、ガーシュインもニヤリと笑った。
「そうだな。爪を丸く整えておかないと、行為の最中にお前を傷つけてしまうからな。可愛い蕾も愛してやれん」
「ばかっ!」
夜の行為を平然と語られ、サナの頬がカァッと赤くなった。
セックスに対して積極的な一方、サナは平静時、酷く恥ずかしがり屋で、その落差もガーシュインは好きだった。
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