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第66話
快感からなのか? 羞恥からなのか?
涙目のサナはクラバットに手を掛けるとするりと解き、ブラウスのボタンをおぼつかない手で外していく。
ガーシュインは今度は手伝うことなく、美しい裸体を自ら晒していく妻を見つめた。
その視線が、サナの羞恥をさらに煽る。
そして、自分の尻の下で硬くなっている夫の熱を感じながら、サナは円を描くように腰を揺らした。
「お前も辛いんだろう? ズボンの中、苦しそうだ……」
ブラウスを脱ぎ、下着もキュロットも脱ぎ捨てたサナは、白いストッキングだけという扇情的な格好で、ガーシュインの上に座り直した。
「そうだな。お前のこんなにもあられもない姿を見て、勃起しない男はいない」
「ばかっ」
頬を染めたサナに、ガーシュインはニヤリと笑う。
そうしてガーシュインのズボンの前立てにサナが手を掛けると、器用にそれを外していった。
すると太くて長くて大きなそれが、まろび出てきて思わずサナは吐息した。
「大きい……」
「サナは、大きくて太くて長いこれが、大好きなんだろう?」
「大好き……」
性急なサナはすぐにも入れたくて、ガーシュインのそれを自らの蕾に当てた。
しかし、ガーシュインが「だめだ」といって待ったをかける。
「どうして?」
今日は意地悪なことばかりを言われて、サナは困惑した顔をしている。
それがガーシュインの被虐心を煽るとも知らずに――。
「まずは俺がお前の蕾を愛してからだ」
「あ……っ!」
ガーシュインそういうと、サナの身体を持ち上げるてくるりと後ろを向かせた。
そして、ピアノの鍵盤に手を着かせる。
高い音色と低い音色の不協和音が、ダンスホールに響く。
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