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第69話
(ガーシュインも……いつも以上に興奮しているのか?)
もしかしたら、ガーシュインもまた、ヒトや獣人を切った戦闘本能を抑えられないのかもしれないと、サナは思った。
相手の命を奪うことに、なんの抵抗も感じない者などいない。
サナは『家族のため』、そして『生き残る』ためにこれまでいくつもの戦場で、ヒトや獣人を切ってきた。
戦闘している時は神経が研ぎ澄まされ、無心の状態で戦っているので躊躇いはないが、夜ひとりで寝床に入った時、今日切り殺した者たちにも家族がいて、生き残りたいという思いもあっただろう……と考える時もあった。
しかし、戦場にやって来たからには、相手に殺される覚悟を誰しもしてくるものだ。
だからここで同情してはいけないと自分を叱咤し、戦いに身を投じてきた。
サナっだって、殺される覚悟をいつだって忘れはしない。
だから今回の戦闘の時も、今後のリンリンを任せられるハルカとリョウジを、ともに隠した。
「何を考えている?」
「あ……んっ」
前を扱く手に力が込められ、刺激が強くなっていく。
脊髄を駆け上がる快感に、サナは再び背中を反らせた。
「何も……考えてない」
「嘘をつくな。さっきほんの一瞬、俺以外の何かを考えていただろう?」
叱責するように後孔を責める指の速度も速くなって、サナは甘美な仕打ちに嬌声が止まらなくなった。
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