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第76話

その様子を、ガーシュインはうっとりした瞳で見つめた。 熱っぽい彼の眼差しに、サナの恥ずかしい行為は、どんどん妖艶さを増していく。 「あぁ……ガーシュイン……もっと、見て……」 腰をゆらめかしながら、サナはペニスを扱く手に力を込める。 乳首をこねる指使いも、執拗なものに変わっていった。 「本当にみだらなお前が好きだ、サナ……しかもそんなお前が、俺だけのものだと思うと、目眩すら覚えるよ」 「めま……い?」 喘ぎの合間に訊ねれば、ガーシュインは喜悦を押し殺すように眉間に皺を寄せ、苦しそうに答えた。 「そうだ。あまりの嬉しさに目眩を覚えて、倒れそうになる」 「今倒れられたら、困る」 真面目に言うと、ガーシュインは可笑しそうに笑った。 「物の例えだ。本当に倒れたりしないよ」 「あんっ!」 再び腰を深く突き入れられて、サナは可愛らしい嬌声を上げる。 こんなにも甘いサナの声など、きっとガーシュイン以外聞いたことがないだろう。 普段の冷静でストイックはサナは、愛しい男の前ではらしくなるのだ。 抱かれる理由はさまざまだった。 素直に相手を愛しいと思ったり、退屈しのぎの戯れだったりすることがほとんどだが、ヒトや獣人を何十人と切り捨てて、治まらない戦闘本能を落ち着けるために抱かれるのは、もしかしたら初めてかもしれない。

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