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第81話
2人は結託したのか、じーっとサナを見つめて圧をかけ続けた。
「いや、さっきハルカには話しただろう。あのことを再確認しただけだ」
「あー……あのことですのん……」
ハルカが気の抜けたような顔をしたので、それもリンリンは面白くなかったらしい。
「なんのことですのん?ハルカ先生はリンリンの味方ですのん?それともサナの味方をするんですのん!?」
「それは……難しいところですのよ〜。これは大人の事情ですのん」
「リンリンももう5歳になりますのん!大人の仲間入りですのーん!!」
オッドアイに涙を滲ませて訴える彼に、サナは仕方がないと教えることにした。
「リンリン、このこの船に乗るようになって、気がついたことはないか?」
「気がついたこと……ですのん?」
「そうだ。もしかしたらこれは、将来リンリンが国王になれるかどうか?試されているクイズかもしれないぞ」
「リンリン、クイズは得意ですのん!こんなところで負けられないんだわ」
そう言ってじーっと船を見渡し、リンリンは腕を組んで考え込んだ。しかし答えはなかなか出ず、苛立ったリンリンはとうとう泣き出してしまった。
「まだ!少しリンリンには難しいクイズでしたのん」
ハルカにあやされ泣き出した息子に、サナは「すまない、少しからかいすぎた」と、頭を撫でる。
そして、答えを小さな耳に吹き込んだ。
「それのどこが不思議ですのん?」
泣き止んだリンリンはきょとんとしていた。
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