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第89話
「確かに。サーディアンがそれでいいのなら、食堂室で話そう」
ガーシュインが頷くと、用事があるんだ……と言って、サーディアンは席を立った。
そうして食事が終わった者から、どんどん持ち場へ戻っていくと、食堂室にはガーシュインとサナとリンリン。そしてハルカとリョウジの5人だけが残された。
するとハルカはリンリンを抱き上げると、サナとリョウジに声をかけて、ガーシュインのもとに5人で集まった。
「――で、話し合いは上手いきそうですのん? 国王様」
「わからん。とにかく俺たちが集めた真実をすべて突きつけて、サーディアンを追い詰めるだけだな」
「追い詰めると言っても、彼は素直に認めるでしょうか?」
リョウジの言葉に、ガーシュインは腕を組んだ。
「問題はそこなんだ。奴だってこれだけの海賊団を率いる男だ。一筋縄ではいかないかもしれん。しかし、こちらにも用意はある」
「用意?」
サナとハルカとリョウジが首を傾げると、ガーシュインは頷いた。
「まぁ、見ててくれ。そして話が拗れていざとなった時には、サナとハルカに戦ってもらおう」
「おーいえーですのん! ハルカちゃん、今日のお昼もステーキを食べたから、身体中の血が滾って仕方がないんですのよ!」
「ハルカはいつでも、血の滴るステーキを食べているじゃないか」
リョウジの突っ込みに一瞬頬を赤らめたハルカだったが、小さく咳払いをすると、目には見えないタイを締め直した。
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