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第95話

「大事にしてくれと、伝えてほしい」  執事にそう言い残し、一同はハルカとリョウジが使っている部屋に移動した。  サナとガーシュインの部屋では、今日も元気に走り回ったリンリンが眠っているので、話し合いができない。  だからこの船で二番目に豪奢な寝室へと、皆は移動したのだ。 「高熱を出したって言ってましたけれど、大丈夫なのかしらん?」  部屋に着き、ソファーに腰を下ろしたハルカがリョウジを見た。 「執事の話によると、ちょくちょく熱を出すみたいだな。それで翌日になって下がれば問題ないが、それでも下がらなかったら、明日俺が様子を見て来るよ」 「そうしてほしいのん……」  散々待たされ、赤ワインが入ったハルカは少し眠そうに目を擦っていた。  しかし、一回目の話し合いをすることができなかった一同は、また作戦を練り直さなければならないと考えていた。  もしかしてこちらの作戦がどこかから漏れて、話し合いを断られた可能性もある。  しかし、自分たちが持っている情報はこの四人しか知らない。  この中に裏切者がいるとも思えないし、今回は純粋にサーディアンが高熱を出したという結論に至って、今夜は12時前に解散となった。 「まぁ、明日リョウジ先生に診察してもらって、サーディアンが本当に健康かどうか? わかるだろう」

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