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第102話
「この程度の熱で動けない俺じゃない。大丈夫だ、今すぐ着替えの準備を」
「は……はい」
渋々と言った感じで、ランバートがサーディアンの着替えの準備を始めたので、のちほど応接室で落ち合うことにした。
ニーナとリンリンを入れ替えに、船を移させることも承諾され、養育係のハルカとパートナーのリョウジも下船を許された。
「ニーナ!」
「お兄様!」
手すりのついた立派な橋板を渡ってくると、ニーナは海賊船の甲板で、ガーシュインに抱き着いた。
「サナも! 元気そうで何よりだわ!」
そう言って彼女と抱き締め合うと、「少し痩せた?」と心配された。
「いや、体重は変わっていないと思う。ただ、だいぶ日に焼けたからな。そのせいで瘦せたように見えるんだろう」
「まぁ、サナの素敵なお肌が……。お城に帰ったら、最新の化粧品でお肌を労わりましょうね」
「国王様、サナ、ご無事で何より」
「カルム、リンリンやハルカたちの代わりに、人質になってくれてありがとう」
「とんでもない。これで心配事が一つ減ったから……安心だよ」
そう言ってカルムが微笑むと、船内からいくつものトランクと一緒にリンリンとハルカとリョウジがやってきた。
「さぁ、リンリン。ハルカちゃんとリョウジと一緒に、ニーナ様のお船に乗りますのよ」
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