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5話

篠田さんは次の日も当たり前のように立っていた。 「今日は、用事が……」 「送りますよ」 その屈託のない笑顔で言われた。 「いや、あの…大丈夫です…本当に…家近いですし…」 「まあ、そこまで言うなら。明日もここにいますね。明日は約束です。守ってくれますよね?」 「は…はい…」 そう言ってオレは走った。 彼がなぜオレのことを飽きないのかすごく謎で仕方がない。 いくら淫魔で好みの味やら匂いやらでも毎日あったら飽きるのではないか。 美人は3日で飽きる理論ーーオレは美形ではないがーーと一緒だと思っている。 翌日、やはり同じ場所に立っていた。 「今日は、行きたい場所があるんですよ」 「どこですか?」 「お楽しみですよ」 そう言って車に乗せられた。 オレの危機管理能力は割と緩いと改めて思わされる。 着いた場所は、僕の学校から車を走らせて一番近いターミナル駅付近の場所のマンションだった。 (うわ…高級マンションだ…見上げてもマンションがある) 「私の自宅です。最上階ぶち抜きなんですよね」 「あの、お邪魔にはなりませんか?」 (淫魔って言ってたし、女の子とか囲ってそうじゃん。漫画で読むやつ) 「いや、誰もいませんよ。私、美食家ですし潔癖なので誰かが家にいるとか気が狂います」 目を細めて軽く笑いながら言われた。 篠田さんの自宅についてからいきなり、噛み付くようなキスをされた。 「んっ…あっ…やめっ…」 「いや、ちょろすぎですよ。気をつけてくださいよ。あなたのこと狙ってるって言ったじゃないですか」 「いや、でも、男ですし。冗談かと思って」 帰ろうと思いドアノブに手をかけた所で、軽々と持ち上げられた。 「あなたがちょろくて良かったです。今日は楽しくなりそうです」 そう言って、僕はベッドにに投げられた。

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