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8話

目覚めると、見慣れない高い天井と質のいい布団にくるまれていた。 夢だと思いたいが、拉致されてセックスしたという事実が体の痛みからひしひしと伝わってきた。 「ああ、起きました?」 「あの、犯罪じゃないですか?」 「起きて早々それですか。まあ、申し訳ないとは思いますけど正直もう既に抱きたいですよ」 オレは一瞬にして顔が青ざめた。 「淫魔って本当なんですよね?」 「そう出なかったら、初めててあんなに感じないですしキスで頭がボーっとする事は殆どないですかね」 「そうなんですね。てっきりみんなこんなに感じるのかと」 「芽也くんは感じやすいですよ。可愛いですね」 オレは男として大事なものを失っている気がして布団に潜った。 篠田さんは「そんなことより」と言って続けた 「今20時ですしお腹すきましたよね。ご飯は作ってありますし少し休んでください。 体痛いと思いますので家には車で返しますし。 ちなみに、体は洗いましたよ。ナカまで綺麗に」 そう言われてみれば、体はピカピカだった。 このままダッシュで逃げ出したいが身体が痛くて走るのも難しい。 「今回はお言葉に甘えます」 そう言って立ち上がろうにも立ち上がれずに、篠田さんに俗に言うお姫様抱っこをされて椅子に座らされた。

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