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学校を乗っ取るのだ……

 4月である!  まあ、学校行ってないんだけど!!  学校行っていれば小5か。相変わらず、修行して依頼受けて雑魚寝する日々である。  お小遣いなどお年玉すら貰っていない。  だから、本当に本当に、桜火様のそれは嬉しかったのだ。  今日は、また贈り物を貰える。宿題だけど、嬉しいものは嬉しい。  それはともかく、用事を言いつけられてなかなか自分の時間が取れない。  睡眠時間も取らないと大変だし……。どうしようか。  悩んでいると、扉がスパァンと開いて、当主様が告げた。 「蓮! お前に夜伽のご指名が来た! お相手は桜火様だ! 謹んで受けるがいい!」 「……かしこまりましてございます」    ……何か失敗したな、桜火様。  とにもかくにも、初めて一番風呂に入り、真新しい服に着替える。  そして、二人を出迎えた。二人の上に着物色っぽい。 「ようこそ、淫行教師様」 「「違うから!!」」  わたわたとしつつ、ご機嫌取りのお菓子を献上される。くるしゅうない。 「ポテトチップスは大好きなので、ごまかされてあげましょう」 「相変わらず、安いな……」 「で、宿題は出来たのですか」 「ああ、見てもらえないかな」 「俺のも見てくれ」  犬の縫いぐるみ二つを鑑定する。 「ん。人様にプレゼント出来るレベルですね。合格です」 「本当!?」 「やった!」 「では、疾風様にはツバメのヌイグルミのプレゼントです。ちなみにこの技術、ゴーレム、というのですよ」 「俺の知ってるゴーレムと違う……」 「僕の知っているのとも違うね」  そういいつつも、お待ちかねの応用編、3巻を渡す。 「それでは、ゴーレムについての質問を受け付けます」  お菓子をバリボリ行儀悪く食べながら、三人でゴーレムについて学ぶ。   「んー。猪突みたいな自律行動をさせるには……こう、かな」 「惜しい。魔法陣は立体で考えるんです。つまり……」  翌朝。俺は、ヌイグルミの散乱する中、二人にぎゅーされて寝ていた。  最後、俺のゴーレムづくりを二人して感じ取る修行してたからね。  すべすべ。温かい。色々ちらりしている。尊さで死にそう。    俺が起きると、連鎖で二人も起きる。  子供がおどおどと覗いていたので、にへらっと桜火様は笑った。 「ヌイグルミいる? お菓子もあるよ」  子供達は目を輝かせた。  子供達がお菓子とヌイグルミに群がる間に身支度をして、二人は部屋を出ていった。  出る前に、俺や子供達の頭をなでていってくれた。良き。  それから、俺はご当主様に命令をくだされた。 「お前はゴーレム作りの才があると桜火様に認められたそうではないか。明日から炎剣の家に向かい、その知識を吸収して我が家に還元するのだ」 「かしこまりましてございます」  ちろり、とみると、ご当主様にわからないように、ごめんね、と素振りをされる。  そういう事になったのね。  まあ、いいか。今より立場は良さそうだ。  ヒソヒソ。ヒソヒソ。ヒソヒソ。 「あー。淫行教師という噂が流れているようだが……僕、違うから! 一晩疾風と蓮とこれの作り方を教える練習をしていただけだから!」  どん! とヌイグルミの入ったダンボールを机の上に乗せる。  俺もドン! とコアの入ったダンボールを置いた。  学校に行くことは出来ないと思っていたけど、まさか魔術高校に連れて行かれるとは思わなかった。教師補佐役として。魔術師自由すぎだろ。 「というわけで、午前中はこれを作る授業! 午後はこれを使う授業をします! 教科書はこれしかないからそれ以外にも、色々魔具に関する資料を用意しました。順番に目を通してね」 「せんせ―! 猪突みたいなの作れるんですかー?」 「流石に猪突クラスは何年も修行しないと無理かな。稼働時間五分の視界共有一分がせいぜいかな。暴走させたら一回攻撃できるけど、あまり強くはないね。威力については午後検証するよ」 「せんせー! その子は稚児さんですかー?」 「コアを種類別に分ける業者でーす。ヌイグルミの外見とコアの中身、一致してないと良いの出来ないので」  生徒は一応、納得したようだった。  俺はコアのもととなった妖魔を告げながら、コアを渡していく。  そして、桜火様はわたわたしながらコアに魔術を込める方法を教えていく。  生徒は少なめで、20人しかいないけど、その子達の間でも得意不得意、真剣不真面目色々とある。  何がいいたいのかと言うと、二年生徒と三年生の担任が混じっておる……。   「先生、この場合、この術式はどうなるとお考えですか?」 「ええと、自分で考えてみることも大事だと思うよ? ヒントは3巻までの中に盛り込んであるから。それはともかく、君は二年生なんだから、教室に戻ったほうが良くないかな? 水輪先生は戻って下さい。生徒達が困ってます」 「では合同授業にしましょう!」 「ええ……」  合同授業になった。   「うう、まだクラクラする」  体育教師の疾風まで巻き込まれて、ずっと生徒達の腕越しにゴーレム生成の魔法を使っていたのだ。当然だろう。 「後は使うだけだから、簡単ですよ。ぱあっと行きましょう」 「そう上手くいくといいけど……」  不安そうに見つめる先には、熱心に頑張る生徒達。  お昼休み返上で手引を読んでいたり、ゴーレム生成の魔術を使っていたり。  ちなみに、ぬいぐるみもコアも恐怖の自腹である。  それにくわえて、興味のある生徒には援助する方針らしい。  なお、俺の手引書は光の速さでポッケナイナイされた。また書くからいいけどね?  高校出ていきなり、初めて先生するんだもん。これぐらいの失敗は仕方ない。  魔術師って大変だなあ。明日から普通に授業するんだけどね。   「先生。放課後、今後の授業について話をしましょう」 「ああ、そうだね」 「あんまり頑張りすぎるなよ」 「疾風もです」  魔術学校の授業を乗っ取れる。こんな都合のいいことはない。  俺は早速作戦を練ることにした。  午後の授業? 学級崩壊でしたがなにか?

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