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変身
なんだなんだと外へ出る。
「魔術師共の拠点を潰しに来たら……。これはこれは。我が魔王様を倒せし勇者よ! 貴様の気配を感じるぞ! この世界に転生していたか!」
げっ ボスの1人、骸骨将軍じゃん。
まだ桜火先生でも厳しいぞ。普通にレイド戦で倒す相手だしな。
「魔王!?」
「どういうことだ!?」
攻撃態勢を整えつつも、混乱する中。
教師2人が颯爽と出る。
「疾風。出し惜しみはなしだ」
「ああ、エン!」
2人は、炎剣と闇のマントを身につける。
「勇者が弟子、炎剣 桜火!」
「同じく、勇者が弟子、柳原 疾風!」
「「参る!!」」
曲がりなりにも最強魔術を発動できる練度と、最強魔術。最強装備である。
火はアンデッドにも相性がいいし、闇のマントは全ての魔法攻撃を吸い込む。
とはいえ、最強魔術も最強装備も一つずつだけ。
テコ入れしていたつもりだが、全然足りなかったと反省する。
炎をまとわせて戦う桜火先生に、なんなら骸骨将軍が現れたときより混乱する学校側。
「あれ、炎剣!?」
「神具じゃないか!!」
「ぬおおおおおおおおおおおおお!!」
骸骨将軍が、大量のアンデッドを召喚する。
生徒達も戦うこととなってしまった。
っていうか、俺もこの体でアンデッドはきついです。魔力少ないし、この体。
それでも、頑張って戦う。
なんとか暇を見つけて、援護しないと。
炎が踊る。魔物のみを焼く、神聖なる炎が魔力の風に煽られ暴れ狂う。
アンデッドが次々と焼けていく。
「さすが勇者の弟子よ! だが貴様には悪辣さも狂気も外連味も何もかもが足りん!」
そんな物、俺も持ってないよ!? ただのゲーマーだし!
骨でできた剣と炎剣がぶつかり合う。
瘴気と熱気がぶつかり合う。
2人が離れた瞬間、骸骨将軍が放った闇弾を疾風が闇のマントで防いだ。
一方、最強の炎魔法(単体)不死鳥鳴は過たず骸骨将軍に当たっている。
「小癪な! 装備だよりの小童共め!」
一見2人が有利だけど、2人の魔力の消費が激しい。
ジリ貧だな。
疲れる前になんとか介入しないと。
ギリギリで介入は愚の骨頂である。なぜなら、実際に掛かっているのは命。
様子見している間に死にましたでは話にならない。
なんとか隙を見つけて変身しないと。
「蓮せんせーっ こっちへ!!」
名家では子供も戦場にいるのが当たり前と知らない一般出の生徒が、子供は避難させねばと俺を助けてくれた。
怪我を負いながらも、俺を庇って校舎の中に走る。
「ここで隠れてろ! いいな!」
「うん」
俺は、戦場へ走って戻る生徒を見て覚悟を決める。
先生達も生徒達も死なせない。
「変・身!」
なお叫ぶ必要は全く無い。
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