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第3話 【1日遅れのハロウィンネタ】 キミにイタズラを。

文化祭が終わって……俺の生活は元通り、高校三年の学生になった。  10月下旬の高校3年なんてホントにつまんないね………俺は『将来』が決まってる。  茶道の名家『清水』の『分家』の『跡取り』が俺の『将来』だし『進路』。  しょうがないとか思ってないよ?  ………これは正直に思ってるし。  結構楽しいもんだよ………茶具や茶碗の手入れもね。  ただ……可愛い可愛いちょー可愛い『後輩』兼『恋人』を早く家に送らないといけないのが……今の俺の今のイチバンの不満!! _____  俺のちょー可愛い可愛い『後輩』件『恋人』は……世界でも有名な大会社『笹倉グループ』の御曹司、笹倉 叶。  叶本人は無自覚だしコンプレックスの『男』なのに可愛くて綺麗で汚れてない純粋な『美少年』……高嶺の花だと思ってた叶をやっとこーんな俺、杉原 俊が『心』からの『好き』をいただいてしまいました。  ………『身体』はまだいただいてないけど、文化祭当日に凶悪女保険医鈴木 佑実から助け出したとき………ヌいてあげちゃった。  ………今また考えると、俺今晩のオカズに何回かヌけそう………。  可愛いのに色気もあるなんて……俺は叶に夢中すぎて……妄想だけで興奮しちゃう!!  ああ、これはホントに俺は『恋』とおりこして『愛』だよねぇ。 「……俊さん?」 「何?」  この人……小雪さんは俺の母親。  まぁ訳あって俺は『杉原』に養子に出されたけど『清水』を継ぐ約束は守るよ……これは母親の小雪さんの為!!  まぁ……小雪さんにも色々あるわけ!!  色々小雪さんに守ってもらったぶん返すのが親孝行……。 「また叶さんのこと考えているのかしら………」  叶を早めに大豪邸に送ったあと、俺は茶道の『修行』の日々。  ガッコが終わったら……実家に直行してるから俺は叶と……辛いつらーいお別れをしているのである。  ま、キスとかペッティングはするけどね………。  ………いーじゃんしたってそんくらい、『恋人』だもんね。 「なんで?考えててもいーじゃん!!」 「俊さんは『修行』しているのですよ?」 「最中じゃないんだから別デショ?」 「でも直前まで考えていたら身が引き締まらないです、ちゃんとなさい」  ………あの古き良き思い出の優しい小雪さんは…ドコ?と最近思う。  叶とすぐ仲良くなっちゃって……叶も小雪さんに懐いちゃって……なんで俺……小雪さんにまでヤキモチ妬かなくちゃいけないんだろ……_。  あーーーーーこれはもう叶中毒だよ……早く身体も美味しくいただきたい。  ………叶はどんな味がすんのかな………。  俺は甘いのニガテだけど、叶は甘くても美味しくいただく自信ある!! _____  『修行』は終わり風呂に入って晩メシ食ってたら………小雪さんがいきなり俺に 「俊さん………今日ハロウィンだからって叶さんに悪戯してませんよね?」  ………ハロウィン?!  そっか!!  今日10月31日はハロウィンだった!! 「………忘れてたっ!!」  昨日まで覚えてて……『叶にどんなイタズラしよう………』とか考えてたのに、今日曇りだから『どうイケメンにいこう?』とか考えてて………叶と体育館裏で口説いてキスしかしてない!!!!  この杉原センパイが大失態を犯したよ!!  犯したいのは叶の『心』っ『身体』だけでいいのに………。 「………そう、安心しました」  小雪さんは胸を撫で下ろしたようにメシを食ってる。  ハロウィン終わる前に叶に………イタズラしたい!!! 「俺今すぐ帰る」 「俊さん………もう叶さんは布団の中かもしれませんし、今から訪ねる非常識はやめたほうがえと思いますよ」  俺は柱時計をみると……今現在10時9分………。  確かに………叶は良い子過ぎるからベッドの中かも………。  叶と初ハロウィンが………不発に終わる………。  かなえぇ……杉原センパイ泣きそうだよ……。 「………俊さんのその間抜け顔、初めて見ました」 「当たり前じゃん!!愛してる人と大事な初イベント逃したんだから!!」  俺が真剣に言い放つと……小雪さんはポカンとアホ面で俺を見てくる。 「……小雪さんっ?!……何か文句ある?」  いきなし小雪さんは大爆笑する。  ホントに何な訳?! 「まさかあの女タラシだった俊さんはどこに行ってしまったのかと思うと笑いしか起きませんよ」  だってさー……本気だし俺。 「今までとは違うんだ俺」  ………小雪さんは笑って 「……俊さんの真剣な顔、男前になってきたのは『親の欲目』じゃなたったわけですか」  ………小雪さんが俺を褒めた?!  キモい………。 「良いじゃないですか、一日くらい遅いハロウィンでも」 _____  今日11月1日は雨。  ………なんだよカミサマはなんで晴れにしてくんないんだよー?  ちょームカつく………というかついてないなぁ俺。  晴れなら……激しく求め合える……濃厚な一日遅れのハロウィンになったのにさー!!  そう考えてたら、叶がデカイ門………の横にある人が出入りする扉から出てきた。  その間に俺は口に『とあるもの』を口に含んでからいつものように挨拶!! 「おはよ叶」 「杉原先輩!おはようございます……また傘さしてないんですか?」  呆れてる叶の顔………うん、今日も可愛い。 「そう、傘ないの」  雨の日傘をささないのは……下心があるから、だよ?  そろそろ気付こうよ、叶。 「……もう…風邪引いても知らないですよ?」  そうそう、この展開………。 「濡れるの好きだしさー!」  俺は濡れた髪を掛きあげて笑って見せた。 「………私の傘に入ってください」  ほらね、叶はすぐに俺の下心に引っかかる。  それが可愛くて可愛くて仕方がなくて………俺はいつも苦笑いしてしまう。 「……叶は優しいねぇ」 「優しくないです!!先輩は………もう少し自分の身体を大切にしてください」  叶と相合い傘、ガッコの登下校に唯一『恋人』らしく、堂々と、みーんなの前で出来る行為。 「叶、俺が傘持つよ」  俺の身長に合わせてたら叶の腕が疲れちゃうでしょ?と言うと叶はもう疲れていたんだろーねぇ 「………お願いします」  これも俺の下心の一つの行為の一部だよ。 「…………そういやさ、叶は昨日俺に言い忘れたことない?」 「………昨日?ですか」 「そうだよ?」  叶は不思議そうに俺を見てくる。  見上げる叶は…… 「………私何か忘れてるんですか?」  気付かない。  早く言わせないと全部溶けてなくなっちゃうよ……。 「………昨日、何の日だった?」 「昨日は………ハロウィンです!!」 「言うことは?」 「………トリック オア トリート……?」  言わせた!!  俺は叶を傘と俺の身体で隠すと『とあるもの』口移しで渡す。  『とあるもの』、それは『キャンディー』。 「………杉原先輩っ!!!!」  叶は唇を押さえて震えてる。 「言ったのは叶だよ!」  照れて怒っても余計に可愛いだけだよ、叶。 「言った叶が悪いの!!」  ………イチバン悪いのは、こういうイタズラを思い付く俺なんだけどねぇ? 完

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