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第4話 【11/11ネタ】 キミと公開ポッキーゲーム。

今日11月11日何の日だか知ってる?!  そうです………ポッキー、プリッツの日!!  晴れてたら放課後に部室で叶に尿道開発したいな……とか一瞬思ったけど、流石にウブで可愛い恋人に嫌われたくなーい俺杉原センパイは違う手段でポッキーゲームを決行しようと思います。 _____  俺は杉原 俊。  都内有名名門ガッコに通うごくごくフツーの男前な男子校三年生。  ……言っとくけどナルシストじゃないよ?  自称男前を名乗るのは……去年まで女に困らなかったから。  俺も健全?不純?お年頃?な男だからね、キモチイイコト好きだしね、歩いてれば逆ナンとかされるし、それで『ああ、俺モテるんだ』と男前を自覚した。  そんなお年頃な俺にもとうとう本命が出来た。  父親の会社の世界に名を轟かせる『笹倉グループ』の御曹司の笹倉 叶。  叶は超絶美少年……歩いてると誰しも声かけたくなるようなくらいです……。  でも……まぁ俺の場合理由があって声もかけれない一生の片想いと思ってたし俺も見つからないように過ごしてたのに文化祭前に叶から声かけてきて……ちょービックリ。  いっておくけど叶は綺麗だし可愛いけど男だからね。  まさか女遊びしてた俺が男の叶を口説いて、叶をものにするなんて夢のまた夢どころか……高嶺の花……ああくそ……何で叶可愛いの?!  顔だけじゃなく、声も可愛いし、あの大きな綺麗なビー玉みたいな大きな目に俺が映ると俺は嬉しくて嬉しくて……もっと『独占』したくなる。  もう、俺には叶しか心が動かなくらい夢中でメロメロなわけである。  かなえぇ……愛してる。  俺をここまで夢中にした責任を取ってくれよぉ……。 _____  ………1日遅れのハロウィンのイタズラを決行した日も雨だったけど、今日もまた雨か。  寒い暑い関係無しに俺は基本的に傘はささない。  それは最初から雨は好きだし、余程激しくない限りささない。  けどね、今は激しくてもささなーい!!  下心です。  叶はちょー優しい子なので、俺を叶の傘に入れてくれる。  叶の雨の日が特別なように、俺にとっても雨の日の登下校は……唯一ガッコ関係で恋人らしいことの出来る公開イチャイチャ!!  ただし……激しくキスもペッティングも求めることができない約束の日でもあるので、複雑な日でもあるけどね!  俺は朝少し早めに出て叶を迎えに行く前に、コンビニでポッキーを購入!!  ホントは……俺は甘いの苦手だからプリッツにしたい。  でも、叶の可愛いイメージだとポッキーだな……でもイチゴポッキーだけは甘ったるくて俺が勘弁してほしくて……。  そりゃあー絵面的にクッキー部分がハートだからイチゴポッキー可愛い……。  よし!!叶にイチゴポッキーも買っていこー!!  俺はポッキー二つを購入してスクバに入れて雨の中叶を迎えに行った。 _____  雨はさっきよりも弱くなってた。  止んじゃうかもな……。  でも登校は相合い傘出来そうだ………やんだらペッティングは出来るしねぇ!!  ドデカい門…の横にある人が出入り出来る小さな扉から叶が出てくる。  うん、今日もちょー可愛い。 「おはよ、叶」 「……おはようございます」  あ、呆れてる呆れてる………可愛いなぁ。 「杉原先輩、いくら雨が好きでも11月ですよ?風邪引きます!!」 「え?俺は寒くないよ?」  これは本当の話だよ?  俺は代謝が良いのか、まだ全然寒くない。 「もう……先輩は身体もう少し大切にしてください」  俺の腕を引っ張って傘に入れてくれる。  可愛すぎる俺の叶……幸せすぎる。  叶にとっては他愛もないことかも知れないけどね、俺にとってはこうして叶と過ごせる時間が幸せすぎて、ちょっと怖かったりもするんだよね。  俺は叶以上に好きにられる、愛せる人は絶対にいないし存在しないと断言できる。  でも叶は本当に純粋で何も知らない。  今まで友達もいなかったらしいし『友情』もしらなない叶のおれへの『愛情』は一生とは限らない。 (それでも………今はちょー幸せだから、いいか) 「……先輩?」  俺は叶の声に考え事をやめて、濡れた前髪を掻き上げた。 「……ごめん、傘俺が持つね」  俺と叶の身長差は約20cmで持つには辛いのは当たり前、腕が震えていた。  こういうところも可愛いんだけどねぇ、無理はさせたくないし!!  俺はわざと叶の手を握るように持ってから離させる。  ……叶少し心配してる?  俺が考え事をしていたからだ。  ああ、やっちゃったよぉ俺。 「心配してるデショ?」 「…え!!」  やっぱ、図星だ。 「大丈夫、叶が心配するようなこと考えてないよ」  安心して、と俺は苦笑いをする。  叶には心配をかけさせたくない。 「……叶、今日何の日だか知ってる?」  俺はわざと話を変えた。  当初の目的だからね、変えても俺の中では不思議なことでもなんともないけど叶ははぐらかされたみたいな可愛らしくて微妙な……やっぱりちょー可愛い表情でこちらを見ている。  それでも優しい叶は話を変えさせてくれた。 「?………何かの記念日なのですが?」 「そだよ。ちょー有名なゲームの日」  叶は首をかしげて考えてるけど……ということは知らないのか!! 「降参?」 「………はい……思い当たらないので」  あ、元気無くなった……。  うわっ!!凄い罪悪感!!  でも……俺はこれを利用させてもらう!! 「じゃ昼休みに杉原センパイが叶に教えてあげようか」  叶は俺の下心にのってくれるだろうか? 「本当ですか?!」 「うん、ホントにホント。ゲームに買ったら景品もあるよ」 「景品なんて…杉原先輩と楽しめれば良いです!!」  うわっ………なんて可愛いの?!叶は………。 「じゃ昼休みね」  俺のその言葉に叶は、本当にキラキラ大きな目を輝かせて 「はい!」  と、嬉しそうに返事をしてくれた。  なけなしの俺の『良心』は痛んだが、『欲望』には勝てなかった。 _____  9月から一年六組に出入りしているから叶は昼休みに俺が叶と一緒にいるのは当たり前になってるみたいだけど、はっきり言うと実は注目を集めているんだけどね、叶は知らない。  まぁ当たり前だよね、ガッコ1の問題生徒とガッコ1の有名人……集まらない方がオカシイ。  だから俺はわざとここに来ていたりする。 (叶は俺のものだよ)  ただ俺たちの仲を見せびらかしたいだ子なんだけどねぇー。  目の前の叶はいつも通り可愛く飯……弁当を食べている。  しかし……いつも思うんだけどさ、叶の弁当はちょっとばかり変わっている。  何で弁当箱に切ってあるプレッツェルとか入ってんのか分かんない。  たまにバームクーヘンとか入ってるし……普通に持ってきたらいいのに何でわざわざ弁当箱に入れてくんのかな?  俺は毎日近所のパン屋で買ってくる。  義母さんは気を使って作ろうかと言ってくれるけど、悪いけど……はっきり言ってしまうと義弟の亮を見張っていてもらいたい。  俺はもうパンなんて叶が弁当を半分も食ってないうちに食べ終わっていて、合わせようとしてくれる叶が必死に早く食べようとしてるのが可愛くて毎日見てる。  まるで一生懸命餌を食っているネコのようだ。  まぁ実際にネコだけどねぇ。 「杉原先輩、それでもゲームってなんですか?」  やっぱり飛び付いてきた。  だからそれで今日はいつもよりハイペースで食べてたわけだ。  俺はにっこり笑った。  叶は知らないことは知りたいタイプなの俺は知ってるからねぇ。  俺はコンビニの袋からポッキーを出して開ける。  あ、今廻りの一年が俺がすることに気付いたな!!  俺は叶に一本チョコが付いてるほうを差し出した。 「手ぇ使わないで食べて」 「?はい」  叶ちゃーん、そろそろ気付こうよ、俺がなにしたいか……。  叶がポッキーを口に加えたら、俺は手を離して逆側を口に加えた。  途端に叶が顔を林檎のように真っ赤にしてポッキーが割れた。 「なっなっなっ………何してるんですかっ先輩!!!」 「あ、叶が逃げた!叶の負けだね!!」  俺は甘いの苦手だけど、俺に割れた方のポッキーを食べながら笑ってあげた。 「……ぇ?」 「今日は11月11日、ポッキーの日だよ?庶民はこうして遊ぶの」  こちらを凝視していた廻りまで固まる。  あれ?  さすがに叶は騙せないか。 「………なんて羞恥心が試されるゲームなんでしょう」 「ん?」  あれ?  叶? 「……凄い恥ずかしいです」 「そう?俺はないけどねぇ」  俺はもう一本ポッキーを取り出して 「もう一勝負いってみる?」  俺は知ってるよ、叶が負けず嫌いなこともね……? 「………今度は杉原先輩から食べて下さい!!」 「いいよ?」  俺はまたチョコがついていない方から食べ始めた。  しかし叶は躊躇って食べてこない………。 「かなえぇー、俺甘いの苦手なの知ってるくせにまるごと一本食べさせた……」  知ってる?  これねぇ、後から加えた方が恥ずかしいんだよ? 「ううう……もう一回お願いします!!」  やっぱり負けず嫌いだね! 「じゃ、俺は加えただけで食べない!半分以上叶がポッキー食べたら叶の勝ち。どう?」 「………やります!!」  ムキになってるでしょ……だよねぇ、負けず嫌いだもんねぇ。  でも可哀想だから、ギリギリ端を加えてあげた。 「はーい、叶どうぞ」  叶は廻りを気にしながら一口食べて素早くカリカリっと食べていく。  目が合う。  叶のクラスメイト達の中で、こんなに間近で。 「わっ……私の勝ちです!!」  こんな1回勝っただけで喜んじゃうんだね。  2回勝ったのは俺なんだけど。  でも当初の目的を果たせた俺はちょー嬉しいよ!! 「うんおめでとう、叶これ景品」  とイチゴポッキーを出すと叶は 「わっ!!ありがとうございます」 こんなことで喜ぶなんて可愛いね。 でも…… 「ウソつき」 「え?」  渡際に耳元で 「本当は口の中まで入れるくせに」  耳元から離れて叶を見るとボケーっとしてた。 「叶って騙されやすいね」  庶民の遊びだけど、皆の前でフツーするわけないじゃん。 「ポッキー、放課後まで残ってたらまた勝負する?」  すると叶は勢いよく残りのポッキーを食べ始めた。  ちょうどそのときに予鈴が鳴ったので俺は叶の前の席を立って頭をくしゃくしゃ撫でて、 「じゃあ、また放課後ね」  叶は本当に可愛い俺の『恋人』。  こうして俺の目論みは叶った、公開ポッキーゲーム。 完

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