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第24話◇

【side*優月】  昼休み。金曜の昼と同じ場所に、智也と美咲が待っていた。  ……思っていた以上に、止められた。  美咲もだし、智也も。  2人も土日、色々考えてくれたらしくて。  美咲は最初から答えは決まってた気がするけど。  智也は、優月が揺らいでたのも考慮に入れてくれたみたいだけれど、それでも、やっぱりやめとけ、が結論だったらしい。  2人の考えを聞いて、優月は黙った。 「――――……優月は? 結論は?」  智也がそう聞いてきた。  オレの前に居る玲央を、オレが好きならいいんじゃないか。  朝、そう思ってたけど……。  2人の心配そうな顔を見てたら、言えなかった。 「――――……うん。 行かない」  そう言うと、2人とも、ホッとしたような顔をした。 「ありがと――――……心配、してくれて」  智也は少し困ったような顔をして。  優月の肩を抱いて、ポンポンと叩いた。 「優月、今日ご飯食べに行こ? 奢るから」 「そうだね、行こ行こ。何でも好きなもの奢る」 「カラオケ行って、ストレス発散してから、ご飯。な?」 「……うん。ありがと」  分かってる。  ――――……オレと玲央は、なんか、住んでる世界が、違う。  オレは、好きな子が出来ても、いつも仲良くなりすぎてしまって、男とは見られず。中学高校と仲の良い女の子は多かったけど、誰とも付き合わず、キスすらまだだった、恋愛超初心者。でも、それはそれでいいような気もしてしまったりもしてて。いつか、運命の子が現れるはず、とか。夢みたいな事も、まだ思ってたりして。  玲央は、そこらへん、オレとは真逆に、すごい慣れてそうで…。  オレが玲央の所に行っちゃったら。  遊ばれてる間に、たぶん、ほんとに好きになって。  玲央が飽きたら、終わり、なんだろうなーと、簡単に予想もできる。  それに――――……。  そもそも男同士。  ……行くべきじゃ、ない。  そもそも、玲央がほんとに待ってるかどうかだって分からない。  オレばっかり、こんなに考えて、悩んで。  玲央はもしかしたら、忘れてるかも知れない、とも思う。  こうして、考えてる事自体が無駄かも。とも思う。 「…5限が終わったら、正門で待ってるね」  吹っ切るように、敢えてもうあの場所に行けないように。2人と約束をしてしまおうと、優月からそう言うと、2人は、ん、と頷いた。  ――――……これで、いいんだ。  そう思おうとした。

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