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第36話◇

 キスされてた首筋に――――……。 「……ッ……?」  口? ……なに?   舐められた? 吸われた?? 痛た……?? 何……? 「……っなに、して――――……?」 「首に、キスマークつくか試しただけ。白いから、すぐつくかと思って……」  一瞬の刺激に驚いた、そこを、今度は舌で舐められる感触。 「……んっ……」  びく、と体が揺れる。  ……ダメだ、オレ、何されても、異常に、反応してしまう。 「玲央、あの……」 「うん?」 「――――あの……」 「ん」 「……あんまり……いろんな事しないでほしいかも…」 「――――……は?」  首を傾げた玲央に、少し焦る。  オレ、変な事、言ってるんだろうな。ここまで来て。  わかるんだけど……だけど……。 「なんか、いちいちすごい反応してて……恥ずかしすぎるから……」 「……色んなことしないのは、無理だな……」  くす、と笑われて。 「それは聞けない」  さっき、キスマークを付けたという箇所に、玲央が指先で触れた。 「……色んなこと、お前にしたいし」  ちゅ、と頬にキスされて。  囁かれる。  止める事も出来ず、ぴく、と、体が揺れてしまう。 「反応してくれた方が嬉しいし。恥ずかしがらなくていいから」 「――――……でも」  オレ男なのに、あんまりに反応しすぎて、恥ずかしすぎて。  止める事もできないし、もう、どうしていいか分からないし。 「大丈夫。オレは、反応させようとして触ってんだからさ」    クスクス笑った玲央は。  オレから手を離すと、自分のベルトを外して、全部脱いでしまった。 「――――……っ」  全然、恥ずかしがるとかなく全裸になって、アクセサリーを外してる。  なんか…ほんと、綺麗。  男らしい、適度な筋肉。  いいな、こんな体だったら。  ほんと、すごいカッコイイ。  ぽけ、と見惚れてると、顔を上げた玲央にまたクスッと笑われた。 「……心の準備出来たら、自分で脱いで、入っておいで」  そう言って玲央は、オレの頭を撫でると、バスルームに消えてしまった。  もう、ドキドキがすごすぎて、辛い。  ――――……どうしよう、オレ、ほんとに、あの人と、どこまでするんだろう。出来るのかな……。  ……玲央の触り方って。  どうして、あんなに、気持ち良いんだろう。  ……自分で脱いでって。  心の準備が出来たらって。  こういう時って、最後まで、脱がせたりはしないんだ。  自分で、心の準備してから……覚悟してから来いって事だよね。  ――――……ドキドキする。  もう、玲央と2人きりで、今から一緒にシャワー、浴びる、とか。  ……ふう、と息をつく。  ドキドキはものすごいしてるけど、嫌な訳じゃない。  感覚が鋭すぎて、怖いけど、  玲央が、怖い訳じゃない。  男と、そうなろうとしてるなんて、ほんとに、嘘みたいだけど。   ……嫌じゃない。  ゆっくり、ベルトを外して全部脱ぐと、軽く畳んでさっき脱がされた上着に重ねて置いた。  ふ、ともう一度息をついて。かちゃ、とドアを開けると。  シャワーを浴びてた玲央が、ふ、と振り返った。  うわ。…色っぽいな。濡れてる、玲央。 「……準備、できた?」  クス、と笑う。  ……この人はきっと、何してても、カッコいいんだろうな。  なんて。思いながら。 「一応……した」  そう言ったら。またおかしそうに、ふ、と笑って。 「一応でも十分。 ……優月、来いよ」  手を出されて、その手に触れると。  引き寄せられて。  玲央の浴びてるシャワーの下に、引き込まれた。

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