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第37話◇

「――――……誰かと2人で浴びるのも、初めてだよな?」 「うん……」 「洗ってやるよ」  ふ、と笑った玲央がシャワーを止める。  それから、 ボディソープの泡のついた手が、する、と体を滑る。 「…っ!」  普段自分で体洗うのとき全然違う。くすぐったすぎる。 「あ、……や、待っ、て……っ」 「……覚悟してきたんじゃないの?」  クス、と笑われて。 「……っオレ、洗われてるだけで、変になりそうだから……」 「なっていいけど」 「……っ自分で洗いたいんだけど」 「――――……ダメ。色々、確かめながら、洗うから」 「……っ……ん」  確かめるって……なに……。  首筋に手が滑って、やらしい手つきで、触れられる。 「あ、だ、め……むり……」  ゾクゾクしすぎ。 「……お前がどこが気持ちいいか知りたいから、我慢、しなくていいよ」 「――――……っ」 「あと声、漏れないから、声出していいよ」 「……っ」  背中、腕、胸。  泡のついた手でツルツル滑らされる。  何でこんなとこで、と思うような所で、体が震える。 「……今ぞく、てするとこ……お前がもともと、気持ちいいとこ」  くす、と笑って。  玲央が、そんな風に言う。  ……もともと気持ちいいとこが、ありすぎなんじゃ……。  どこ触られても、気持ちいいって……。  てか、玲央の触り方がやらしいからなんじゃ……だって、オレ、今まで、誰と接触してきたって、こんな風になったことないし。  普通に生きてて、触られたり、抱き合ったり、肩組まれたりと、普通のレベルの接触、どんなにしてたって、何も感じた事なかったし。  パニックを起こしそうになった時、そっと顔を上げさせられた。 「――――……ン……」  深いキス。――――……玲央の息が、舌が、なんか熱い。  少しその気になって、くれてるのかなと思うと。  なんか、ホッとしてる自分が居る。  ……オレは、玲央に何されても気持ちいいけど、玲央はいつも慣れてる人達としてる訳で。つまらないんじゃないかなと、どうしても気になる。  薄く目を開けて、玲央を見つめると。  急に目を開いた玲央と、ばっちり目が合った。絡んでた舌を、咄嗟に離すと。 「――――……なんか、考えてる?」 「……っ」 「余裕あるなら……も少し進めよ」 「……え、ちがっ」  っ無い無い。  余裕なんか、無い。  ぶる、と首を振るけれど、後頭部を押さえつけられて、唇が塞がれる。 「……ん、ぅ……っん」  無いのに……っ。 「……ん、あっ……!」  胸の先端をなぞった指に、声が漏れた。  咄嗟にキスが離れたけれど、すぐにまた舌が絡んでくる。  舌が奥まで入ってきて、まともに、声が出せない状態で。  胸をしつこく弄られて。  ぞくぞくした感覚が腰に来る。  熱い。なんか脳みそ、溶けそう――――……。 「……ふ……気持ちよさそ……」  唇を離した玲央が、オレを見つめて、そんな風に囁く。  ああ、なんか――――……玲央、色っぽい……。

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