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第38話◇

「ちょっと座って」 「……?」  頭が働かないまま、バスタブの端に座らされて、足の指先から丁寧に洗われて。段々上へと手が滑る。中心だけは避けて、ウエストに回って。 「――――……腰、細いな」  玲央みたいに、筋肉ついてないし。細いかもだけど。あんまり見られたくない。脇腹を、つっと指先でなぞられて、ゾワゾワして、どんどん、体温が上がってく。 「反対、向いて?」  くる、と後ろを向かされて。今度は床に、膝を付けて、座らされる。  背中、腰、尻まで、洗われて。バスタブを握りしめてる手に力が入る。 「……優月」   囁かれて、後ろから、ぎゅ、と抱き締められる。   「……もう、すげえ反応してるの、自分で分かってる?」 「…………っ」  くす、と笑う玲央に、囁かれるまでもなく。  ……分かってる。  今まで、ない位、そこに血が集まってる気がする。 「……オレが触っていい?」 「………っ……」 「それとも、今は自分で触る……?」  さっきから、ずっと、避けて触られてて、もう、ゾクゾクしてどうしようもない。玲央に触ってもらうなんてありえないけれど、でも、よく考えたら、玲央の前で自分で触るとか、そんなのはもっとありえない。 「……玲央に……触ってほしい」 「触っていーんだ……」  ふ、と後ろで笑う気配。  胸を抱きしめてた手が、するりと、おなかを撫でながら、下に回った。 「……ン、ぁ……っ」    熱い、手の中に包まれた。 「……っ……」  人に触られるの、初めて。  ――――……手が熱すぎて。  自分の意志ではなく、自分ではやらない触り方で攻められて、ビクビクと体が震えるのを、我慢できない。 「……触られたこと、無いよな?」 「……っ」  うん、と頷くと。 低く笑う、玲央の声。  ぐり、と先端を擦られて、仰け反る。 「……ン……っ」 「――――……素直……」  くす、と笑われて、きつく刺激されて、腰を引く。 「……イく時はちゃんと言えよ。約束」 「……っ……」 「素直に声だした方が気持ちいいから。いい?」 「……っ……」  こく、と頷く。 「シャワー出すよ」  言われて、お湯が出てくる。  泡が流されていく。 「――――……綺麗だなー、ここの色……」  ふ、と笑われると、死にそうに恥ずかしいけど。  玲央が優しいので、抵抗しようとかいう気が一切起きない。  玲央の手が、激しくなって。  首筋に軽く歯を立てられて、びく、と震える。 「ん……ぅン……」 「――――……もうイきそう?」 「……っ」 「ちゃんと言って」 「……っうん、イき、そう……」  きつい、刺激に、涙が滲んでくる。 「ん。良く言えたな」  そんな風に優しく言う玲央。 「いいよ、優月――――……好きな時に、イッて」 「……ん、んっ……っ……」  一気に、体温が上がってって。  頭が白くなって。  びく、と全身が震えた気がした。  玲央の手で出してしまったものは、シャワーで流されていく。 「――――……優月」  くる、と振り返らされて、キスされる。 「……んン……っ……」  舌、絡むのも、少しだけ、慣れてきた。気がする。  どーして、玲央のキスって、気持ちいいのかな…。 「……裸でくっつくの、気持ちいい?」 「……うん」 「オレも、お前の肌、気持ちいい」  聞き心地の良い声で囁いて、くす、と笑う。  玲央の肌、気持ちいい。  ぎゅー、と抱き締められて。ドキドキが、激しすぎる。

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