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第42話◇

 キスしながら、時計を見る。  ……あと10分か。  キスを離すと、ふ、と息を吐いて。  オレを見上げてくる。 「ちょっと待ってて」  すり、と頬を撫でて。頷いた優月を置いて、クロ―ゼットのある部屋に行き、Tシャツとズボンに着替える。  優月のいるリビングに戻ると、ぼんやりしてた優月に、あれ、という顔で見られた。 「届けにくるから着替えただけ」 「あ、うん。それは分かるんだけど――――……なんか、ラフだから」 「ん?」 「金曜も今日も、なんか、すごくカッコイイ服着てたから。アクセサリーとかも色々ついてたし。……今みたいなラフなのも、似合うなーと、思っただけ」  にこ、と笑う優月。  優月に近づいて、見上げてくるその手からコップを取り上げて、下に置いた。 「……?」  ふ、と見上げてきた優月を、ソファに組み敷く。 「……玲央?」 「来るまで――――……キスしよ」 「……っ」  一瞬で、真っ赤になった、その唇を塞ぐ。    深く口づけて。優月の口内を、余す所なく舐める。  どこが気持ち良いのか、確かめながら。  舌を絡めて、呼吸を奪って。  舌を吸うと、びく、と喉が引きつる。 「……ン、う」  眉が寄る。睫毛に、涙が滲む。  こらえきれないみたいに、声が、喉の奥で漏れる。  ――――……あー。 かわいい。 「……ふ、は……っ……待っ……」  一瞬首を振って、優月が唇を外す。  顎を捕らえて、もう一度塞ぐ。 「……ん、ぅ……っ」  優月の手が、腕に縋るように触れてくる。 「……ん……ぁ……」  綺麗な鎖骨に指先で触れると、びくっと体が震えると同時に絡んだ舌が解かれた。 「だめ。外すな」 「……っんん……っ」  すぐにまた絡めると、一生懸命応えてくる。 「……ふ……っ……れ、お……」  ぎゅ、とつむられた睫毛が震えて。自分の名前が呼ばれると。  予期せず、急に、かっと体が熱くなった。  ――――……やば。  ……今さら、キス位で。  キスを外して、優月の首筋を、なめた。 「ひゃっ……っ……っ!」  上げた声を恥ずかしそうに、唇を噛みしめてる。 「――――……っ」  優月がもぞ、と腰を引くのに気付いて、バスローブの合わせ目から手を入れた。 「……や……っ」 「――――……感じちゃったよな?」 「……っ」 「……イケるかな、来る前に」 「……っむ、むり、大丈夫、ほっといて……っ」 「……こんな反応されたらほっとけないだろ」 「……っ……あ……っ」  唇を噛みしめて、俯く優月の耳に舌を這わせた。  ……これ、弱そう。  耳の中に舌を這わせて、ぐちゅ、と音を立てると。  びっくりしたみたいな顔でオレを見た。そのまま今度は手で頭を押さえて、もう一度耳を刺激する。 「あっ……や……っ……!」  耳への愛撫と合わせて、下も刺激すると、あっという間に、限界を迎えそうになってる。さっき触れて弱かった部分を、ぐり、と刺激した瞬間。 「……ん――――……っ……」  オレの手の中で、あっという間に昇りつめて。  瞬間の激しい快感が数秒。 それが過ぎて、は、と我に返った優月は、一気に真っ赤になった。 「……っごめ……手……」 「ん? いいよ、オレが触りたくてやったんだし」 「……っっ」  ソファの横のラックからティッシュを抜き取って、手と、優月の腹を拭き取る。 「にしても、早いな……そんな気持ちよかった?」  クス、と笑うと、さらに居た堪れなそうに、ちっちゃくなって、ソファの反対側に退いてる。 「……ごめん……」 「オレ、悪いとか言ってないけど。 可愛いっつってんの」  くす、と笑って、優月に近づいて、その頬に口づける。  その時チャイムが鳴って。 「すげえピッタリ…」  ふっと笑いながら立ち上がり、つい、優月の頭を撫でてしまう。  一応手をざっと洗って、財布を手に取った。 「待ってて」  真っ赤で、呆然とした感じではあるけど、素直に頷いた優月を置いて、玄関に向かった。  

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