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第46話◇

 こんな風に――――……いつも、キスするのかな。  やさしい、キス。 「――――……っ……んン……ぅ……」  ――――……なんか、めちゃくちゃ愛されてるみたいな、キスだなあ、と思う。 「……っれ、お……」  名を呼んだ唇を、また塞がれる。  舌が上顎をなぞって、また舌を絡めてくる。  ぞく、と体が震えて。腰の奥にまた、ジン、と、熱が灯る。 「……ん、ふ……っン……っ」  ぐい、と抱き寄せられて。バスローブをはだけさせられて。  中にするっと手が差し入れられて抱き締められる。片手は、首の後ろで、キスを離さないように押さえつけられている。  玲央の手がオレの脇腹を沿って、背中に触れただけなのに、ぞくぞく感が半端ない。 「……っ……」  抱きよせられたまま、背後に数歩移動させられて。  ベッドに、倒された。    一瞬離れた唇は、上に密着した玲央にまたすぐに塞がれる。 「……ン……」  もう、押さえられなくても、後ろには、引けない。 「……ん、ん……っぁ……」  上顎、舐められると――――……。  気持ち良すぎて、頭がぼうっとしてくる。  もう、容赦ないキス。  何度も角度を変えられて、奥まで舐められる。 「……んんっ……ん、ふ…… っは、ぁ……っ……」  キスしかしてないのに、息が弾んで、声がどうしようもなく、漏れる。  さっきまでのキスは、まだ少し手加減、しててくれたんだ、と分かって。  少し、怖くなる。  これ以上、されたら、どうなるんだろう。  とにかく、息が、できない。 「……優月……」 「……ふっ……は……」  涙で滲んだ瞳を、一生懸命開いて、少し唇を離した玲央を見上げる。 「だから……鼻で、吸ってみろって……」  クス、と優しく笑う玲央。 「いい? やってみな」  また、キスされる。  玲央は目を開いたまま。オレは、見つめ合いながらキスするのは、耐えられそうになくて、伏せた。鼻で、少し、吸ってみる。 「吸えるだろ?……あとはオレに合わせて口でも呼吸して」 「……むずかし……」 「数こなせば慣れる」  クスクス笑って、また重なってくる。 「まあ、声が漏れてんのも可愛いからいーけど。 あんまり苦しくない方がいいから」 「……」 「……息出来るようにたまに離すから、合わせてみて」  ふ、と笑う玲央。うん、と頷くと、また唇が重なった。  意識してると、少し、呼吸できるようになった気がするけど。  舌、吸われたりすると、もう、無理。 「……も……や……」 「……もう嫌?」  やさしい声で玲央が囁く。 「……れおの、キス……気持ちよくて、もう無理」 「もっと気持ちよくなるから」 「……これ以上、むりかも……」  言って、玲央を見上げると。  玲央は、くっと笑い出して。 「……可愛いけど、それは聞けない」 「――――……っ……」 「気持ちいいのは、素直にそう感じろよ」  体を起こした玲央がTシャツを脱いで、服を下に落とす。  うわ、もう……。  心臓が、ヤバい。  たぶんそろそろ、オレ、死ぬかも……。  薄明りの下で見る玲央の裸は、セクシーすぎて、息が止まりそう。  何でオレ、こんな人と、ベッドの上に居るんだろう。  ………何でだっけ……。現実感、無さすぎ……。  考えられないまま、キスされて。  舌が吸われて、ん、と上向く。

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