50 / 860

第50話◇

 しばらくキスした後、玲央がまた胸に触れてくる。  玲央、これ、何が楽しいんだろ……。  さっきより、なんか、ムズムズする。  また胸を舐められて、ぴく、と腰が震える。 「……っ……」  ……どうしよう。 「玲央、待って……」  肩に触れて、玲央を呼ぶと。  かり、と乳首を最後に噛んでから、オレに顔を向けた。 「――――……どうした? 嫌?」 「ちが……なんか――――……」 「ん?」 「なんか……オレ、ばっかり……さっきから……」 「――――……なに? また何かしてくれようとしてんの?」 「……どうしたら良い?」  聞くと、玲央は少し考えて、くす、と笑った。 「今日はいいよ。また今度で――――……」  ちゅ、と頬に、口付けられる  ……さっきから、何度も、また今度って、玲央は言う。  また今度――――……って、あるのかな……。  唇に、キスされて。また、めちゃくちゃ深くなる。 「……キスの仕方覚えようぜ……?」 「……ん」 「舌、出して」 「――――……ンン……」 「絡めて――――……」  玲央の舌に絡める。  そこまでは、目の前の、玲央の顔を、一生懸命見ていたけれど。  すぐに舌を絡め取られて吸われて、きつく目を閉じた。 「……ン……ふ……」 「――――……上手、息……」  ふ、と笑った玲央が、囁く。  ……褒められた。  ――――……なんか……嬉しいな。  玲央の指が、頬から耳の後ろに滑って、さら、と髪を撫でて。  そのまま、後頭部押さえられて、深く重なる。  なんかもう、これ以上深くは、くっつけないんじゃないかなという位。  キス、されてる。と。 「――――……ん……ン……っ」  ……苦しい。  ……けど、きもち、いい。 「……ん……ぁ……っ」  玲央の指がまた乳首を刺激してくる。  びく、と震えて、唇が離れた。 「……れ、お……っ」 「――――……気持ちいい?」 「……っ」  なんか――――……これって、いつ、終わるのかな……。  玲央のしてる事って……。  キスしてくれて。 乳首、触って、オレを、イかせて……。 「ね、玲央……?」 「ん?」 「……玲央は……しないの?」 「……ん?」 「……だって、オレ、ばっかり」 「……じゃあさ。オレの上に来て」 「………っ??」  くす、と笑って、座った玲央の上に、またがるみたいに座らされる。  ちょうど玲央の顔の前に、オレの胸。 「あっ……や……」  舌で舐められて、噛まれる。  びく、と後ろに反りそうになって、咄嗟に玲央に支えられる。 「っ……あぶね。……優月、ちゃんと、オレに捕まってて。首に腕まわして」 「……っ」  言われるまま、玲央の首に抱き付くけれど。  自分から、玲央に胸、押し付けてる気すらしてきて、恥ずかしさの極致。 「……れ、お……っこれ、やだ……」  ふる、と首を振って、訴えると。  見上げた玲央に、またキスされる。 「ン……んん……」  歯列をなぞられて、ぞくりと腰が戦慄く。  キスが離れて、下から見つめられてるのに気付いて、玲央を見つめ返すと。 「お前が恥ずかしそうにしてるの……すげえゾクゾクする……」 「……っ」  ますます恥ずかしくなる。  そんな事言ったら、オレなんてずっとゾクゾクしてて、ほんとにヤバいのに。こうやって、下から見られてるだけで、胸の奥が、痛くて。 「優月……」  また、ゆっくりと唇が触れる。  名前、呼ばれるだけでも。  やばい……。

ともだちにシェアしよう!