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第52話◇

 キスされるのも初めて、どこを触られるのも初めてで。  どこに触れても、戸惑うし、驚くし、新鮮な反応をする。  そのくせ、すごく敏感で。  キスにすら、この上なく蕩けた顔をして、一生懸命応えてくる。  最初は戸惑ってた乳首も、触れてる内に、快感につながるようになっていく。軽く噛むと、体がビクビク震えて――――……エロい。  イかせてもなお、可愛い乳首を弄り続けていたら、たまらなそうな顔でオレを見下ろしてきて。あまりに可愛いので、もっと気持ちよくしてやりたくなって、びくびく震えてた優月自身を、口にくわえてやった。  普段、男とする時、口ではしない。口でしなくても全然、事は足りるし。  むしろしたがる奴のが多いから、させる事は普通にあったけど。  ……そういえば、初か。これ。  涙をぽろぽろ零して耐えてる優月をそのままイかせてやりたくて、愛撫を激しくすると――――……足を痙攣させて、口の中で、優月が達した。  ――――……今更ながらの、初体験。  容易くそれを飲み込んでしまって、正直自分でも驚いていたら。  優月が、めちゃくちゃ泣き出してしまって、しまいには、吐いてと言う。  ……吐いてって――――……できねえし。  可笑しくなってしまう。  本当面白い。つか……可愛い。  これ以上できない位のキスを、優月にし続ける。  苦しそうに眉を寄せながら――――……でも、気持ちよさそうに、一生懸命応えてくる。 「ン……んん……」  上顎をなめて、歯列をなぞって――――…  すると、優月が、とろん、とした顔で、頬を上気させせて。  下から、見つめてくる。 「お前が恥ずかしそうにしてるの……すげえゾクゾクする……」 「……っ」  ますます赤くなって。  瞳に涙が滲んでくる。 「優月…」  ゆっくりと頬に触れて。唇を重ねる。  優月の目尻から涙が、零れ落ちた。  親指で、それを拭って、キスを深くする。 「――――……」  興奮しすぎて……ヤバい。  今すぐにでも優月に入れて、もっと乱したい。とか。  激情に任せないようにするのが、きつい、くらい。 「……ン……ふ……っ」  少し苦し気な声に気付いて、薄く目を開けると。  また涙が零れ落ちてくる。 「――――……ゆづき……?」  少しだけ、唇を離して、名前を囁くと。  一生懸命といった風に、瞳を開ける。 「……れお……?」  涙で潤みまくった瞳と、名を呼ばれた涙声に。  胸の奥がどく、と揺れた。 「――――……」  ますます上がりまくった激情が耐えられない位、なのに。  ……今日、これ以上は――――…無理そう、だな……。  受かんだ考えに、知らず苦笑い。  思わず、は、と息をついた。

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