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第53話◇

「優月……」  今更、こんなので、終わらせる事になるとは思わなかった。  でも今はこれ以上は、する気がしない。  優月の背を枕に沈めさせる。 「優月」 「うん……?」 「――――……オレのとお前の、一緒に握れる?」 「――――……?」  ぽけっと見上げてくる優月に少し笑ってしまいながら。 「脚すこし開いて」  ズボンから引き出した硬いソレを、優月のに触れさせた。  何をされたか認識して、一瞬でかあっと真っ赤になった優月の手を、そっと掴んで、重ねる。 「……っ……」 「このまま握って、一緒に擦って」 「………っ」 「――――……嫌?」  固まってる優月にそう聞いたら。 「……っ……はずかし、すぎ……」  泣きそうな顔で、見上げてくる。  ――――……嫌、じゃなくて、恥ずかしいのか……。  ふ、と笑みが浮かぶ。 「恥ずかしくていいから、やってみろよ」 「――――……っ」  下を優月に任せて、そのまま上に体を上げて、唇を奪う。  めちゃくちゃキスしてる間に。  恐る恐るな動きで、少しだけ、手が動く。 「……優月、もっと強くしてみて」 「…………っ……」  しばらくキスしながら、任せてみたけれど。  ――――……これじゃ全然イけないな。  もう、勃ちすぎて痛いし。 ――――……もう、出したい。 「このまま触れてて」 「……っ……あ……」  優月の手ごと包み込んで、強く擦りあげる。  焦ったように顔を向けてくる優月の唇にキスして、舌を絡め取る。 「ン……っ……ん、ぁ……あっ……」 「――――……優月……」  あっという間に、優月の息があがって、体がびくびくと震える。   「待っ……れ、お……ぁ……っ」 「……っ悪い、待てない――――……」  さすがに、もう、待ってやる余裕がない。  もうすぐ、という時に。首を振る優月の首筋を甘噛みすると、体がびく、と大きく震えた。 「……ひゃ……あ……っ……」 「――――……っ」  2人、ほぼ同時に達して。  硬直してた優月が、ふ、と力を抜いたと思ったら。  ぱたん、と手をベッドに落とした。 「――――……ゆづき?」 「……れお……」  ……目、開いてねえな……。  思わず笑んだ唇で、優月の唇にキスを落とす。  重ねるだけのキスを何度かしていると。  そのまま、すぅ、と静かな吐息が聞こえてきた。 「――――……」  その頬に一度キスして、しばらく眺めた後、一旦シャワーを浴びた。お湯で濡らしたタオルで優月の後始末をしてやる。  優月のバスローブを整えてから隣に入り、座ったままで優月を見下ろした。  今はもう、ただただ無邪気な寝顔を見つめる。 「――――……」  ぴくりとも動かない。  ……拭いても動かなかったし、朝まで起きないかもな。  ――――……誰かを泊めるのも久しぶり。  こんな風に、寝顔を見てるのも。  ――――……つか、最後までしねえで、寝かせてるって。   ……なんだそれ。  ……甲斐に言ったら、馬鹿笑いされそ……。 「――――……」  ――――……さっきまで、あんなエロい顔して、泣いてたのに。  寝顔、すげえ幼い……。  そっと、髪に触れて、乱れてた前髪をあげさせると。  さらに幼い。  クス、と笑ってしまった自分に気付いて。なんだかこの感覚がくすぐったい。  ふ、と息をついて。  優月を見つめたまま、しばらくそのまま過ごした。    

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