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第81話◇
抱き寄せて、むちゃくちゃキスする。
絡んだ唾液、ごく、と飲み込んで、はぁ、と吐息を漏らす優月に。
――――……なんだか、めちゃくちゃ興奮する。
「ん、……ふ……っ――――……」
立っていられなくなっていく優月を抱き上げて、藻掻くのをスルーして歩き、バスルームに下ろした。
「ちゃんと立てるか?」
「立てるってば」
「――――……さっき、足抜けてたろ」
言って見つめると、あきらかに狼狽えて、俯く。
頬にキスすると、その場所を押さえて上げてくる。
たかが頬にキスした位で、そんな必死に見られるって……。
見つめ返すと、何でだかもう泣いてる。
「……何でもう泣いてンの?」
「――――……っ……泣いてなんか……」
「……涙たまってるけど」
「……っ」
目尻に触れると、涙が手に触れる。
「……泣くの早すぎ」
腰に手を回して、ぐい、と引き寄せて、間近でじっと見つめる。
オレ、お前に会ってから、他の奴としてねーんだよな……。
……土日もだったし。今日だって、別にあのまま過ごしたって良かったのに。つか、セフレと夕飯だけで帰るなんて、逆に初めてした気がする。
「……今日はさ。昨日より色々お前にしたいけど……良い?」
「――――……っ」
そう聞いたら、真っ赤になって。
かなりの沈黙の後。 玲央を見上げたまま、小さく頷く。
――――……は。
……可愛い。
シャツに手を掛けると、少し心細そうに眉が寄る。
「……怖い事はしないから。任せとけよ」
そう言うと、少し安心したみたいに笑んで、頷く。
服を脱がせて、バスルームに連れ込む。
恥ずかしそう。……ほんと、可愛い。
シャワーでお湯をかけてやっていると、優月がじっと見つめてきた。
「あの……自分で洗ってもいい?」
「……何で?」
「なんか……のぼせそうで」
「――――……ん」
ふ、と笑ってしまいながら、泡立てたボディスポンジを渡してやる。
「……ありがと」
ほっとしたみたいな顔で笑い、受け取って、体を洗い始める。
……そんなほっとされると、ちょっと引っかかる。
引っかかりながらも、とりあえず自分の体を洗い終えて泡を流して。
もこもこ全身洗ってる優月も流そうと思ったのだけれど、ふと、思いついて、シャワーを止めた。 優月の背筋に、す、と指を這わせてみる。
「……ひっ……」
ぴっと伸びきった姿勢。その後、肩を竦めて退かれて、真っ赤な顔で、眉を顰められる。つか。その反応って――――……誘ってる以外、ない気がする。
「――――……そろそろ、無理。触らせて」
「え……」
くる、と後ろを向かせて、鏡に、手をつかせた。
「……っ」
焦った顔してる。けど。
「――――……ゆっくりするから、我慢して」
「……っ……?」
腰に触れて、そこから尻の割れ目に指を這わす。
びくうっ!!と全身震えて退いた優月に、思わず、クッと笑ったら。
「……っ笑わないでよっ……だって急に……」
「あー……うん、悪い」
そう言って、笑いを堪えようと思うのだけれど、色々可愛すぎて何だか無理。クスクス笑い続けてたら、優月が、鏡にもたれかかって、静かになった。
「……優月?」
「……っ……笑うなら、しないでよ……」
……あ、拗ねた。
もう――――……可愛いしか、浮かんでこない。
「……笑わないから。――――……ちょっと中、洗わせて」
「……なか、あらう……?」
優月の体でモコモコになってる泡をすくって、優月のそこに触れる。
めちゃくちゃ強張ったのが分かる。
「ひ……ゃ……っ……」
指を中に入れると、更に、かちんこちんに体が固まってしまった。
ふ、と笑いが零れる。優月がまた涙目で恨めしそうに振り返った。
「も……笑うなら……触んない、で……っ」
「――――……可笑しいから笑ってんじゃねーよ」
「……っ」
絶対嘘だ。
と思ってるとしか、思えない顔で、オレを見てくる。けれど本当に。
……バカにしてる訳でも、何でもない。
ただ、反応が可愛すぎて、笑っちまうだけ。
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