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第83話◇

【side*優月】  何でこんなに、可愛いとか言うんだろ。  ……言い過ぎ、だと思う。  ……こんなに可愛いとか言われて、好きになったら重いとか、ほんと無いなと、思ってしまう。    可愛いという時の、玲央の、笑い方。  ――――……愛おしむ、みたいに目を細める。  もう。こんなのをずっとされてたら、  ……皆、好きになっちゃう、と思う。  めちゃくちゃ、してくれる、キスも。  ――――……深すぎて、溶けそう、だし。 「……ん……ン……」  鼻で息。玲央に言われた事、何回も自分に言い聞かすけど、すぐ、何も考えられなくなる。息が上がって、ぎゅと目を閉じたら。  急に、胸に触れられて、乳首を摘まれた。 「……っあ……」  びく、と退いたら、キスが離れた。  玲央が、ふ、と笑って。 「……キス離すなよ」  そんな風に言った玲央に、後頭部に手を置かれて、引き寄せられる。 「……ン、ン……っ……――――……ふ、……」  深く口づけられたまま、胸を刺激され続けると、すぐ下が、反応し始めたのが分かる。  うわ……なんか……胸触られると――――……。  ……っ……ひびく……っ……。  昨日まで胸なんか、こんな意味で、触った事すら、無かったのに。  すぐ、玲央に気付かれて。  合わさった口の間で、玲央が少し笑ったのが分かる。 「――――……あっ……っ」  下に触れられて、一気に刺激される。    ――――……そもそも、普段、そういう欲が、そんなに強くない。  体的に、たまってるかなーと思う時に、処理する位。  自分でする時とは、全然違う、玲央の触れ方。  気持ちいい、通り越して、変になりそうで。  ……怖くなる。  ぶる、と顔を振って、キスから離れて、玲央の手を押さえてしまう。 「やだ……玲央……はや、い……っ」 「早い?」 「……っ……て……」 「……ん?」 「……手、早すぎ……」 「ん。 大丈夫だから――――……手どけてて?」  くす、と笑った玲央に手を避けられて、また、キスされる。 「……ン……っ……ぁ……!……」  少し後――――……あっという間に、昇りつめて。  激しく舌を絡められて。 「……っ……」  昇りつめた感覚が消えなくて、体が、強張ったまま。動けない。 「……んっ……ぁ……」  ゆっくり、唇を離されて。  なんとか、瞳をあけて……何だかもう、色々にびっくりして。  玲央を、見上げる。 「……優月?」 「――――……っ……早すぎ……ない? オレ……」  いくら何でも、あっという間すぎて、ほんとに驚く。  恥ずかしくなって、手で口元というか、顔を隠しながら、俯いてく。 「……はずかし――――……」  隠れられるなら、隠れてしまいたいと思うレベルで恥ずかしいのに、  顎を捕らえられて、顔を上げさせられる。 「――――……ちゃんと、オレにされるの気持ちいいって覚えてたんだろ」  くす、と笑いながら言う玲央に、ますます恥ずかしくなって。  熱くなってる頬に、キスされる。  ……っ……それにしたって…はやすぎ……。  なんかもう。オレ、むり。  ……されっぱなしって、恥ずかしすぎる……。    じっと、玲央を見上げる。 「……玲央?」 「ん?」   「――――……昨日さ」 「ん」 「次、オレするって、言ったでしょ?」 「なにを?」 「……オレが、今度、するって……」 「――――……」  ああ、と思い当たったみたいで、んー、と首を傾げてる。 「……だめ?」 「……んー……。優月、ほんとにしたい? 別に無理にする事はねえし」  そんな風に言う玲央に、む、と見つめる。 「……されっぱなしなの……なんか、嫌だから」  言ったら、少し目を大きくして。  ぷ、と笑って。 「――――……じゃあ、してもらおーかな」  顎に手がかかって。  唇に指が触れた。 「……がんばる」 「がんばるって……」  くす、と笑う玲央の優しい瞳が更に緩んで。  まっすぐ、見つめられる。  うー……この人に、オレ出来るかな……?   ――――……ドキドキが、やばい。  玲央がバスタブの端に腰かける。  開いた脚の間に、膝をついて座る。 「――――……とりあえず、好きにやってみる?」  ちょっと楽しそうな玲央が、クスクス笑いながら、頬に触れてくる。  うう。  ……恥ずかしすぎ。  ……でも、今からとんでもない事、しようとしてるのに。  全然嫌じゃない自分が謎すぎる……。 「……無理なら、ほんといいけど?」  クス、と笑う玲央に、ちゅ、とキスされて、そんな風に言われるけど。  ぶるぶると首を横に振る。  ……無理じゃない、ていうか。  してみたい、んだよね。――――……玲央が、昨日、してくれた事。  すごい、ドキドキするけど。

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