83 / 856
第83話◇
【side*優月】
何でこんなに、可愛いとか言うんだろ。
……言い過ぎ、だと思う。
……こんなに可愛いとか言われて、好きになったら重いとか、ほんと無いなと、思ってしまう。
可愛いという時の、玲央の、笑い方。
――――……愛おしむ、みたいに目を細める。
もう。こんなのをずっとされてたら、
……皆、好きになっちゃう、と思う。
めちゃくちゃ、してくれる、キスも。
――――……深すぎて、溶けそう、だし。
「……ん……ン……」
鼻で息。玲央に言われた事、何回も自分に言い聞かすけど、すぐ、何も考えられなくなる。息が上がって、ぎゅと目を閉じたら。
急に、胸に触れられて、乳首を摘まれた。
「……っあ……」
びく、と退いたら、キスが離れた。
玲央が、ふ、と笑って。
「……キス離すなよ」
そんな風に言った玲央に、後頭部に手を置かれて、引き寄せられる。
「……ン、ン……っ……――――……ふ、……」
深く口づけられたまま、胸を刺激され続けると、すぐ下が、反応し始めたのが分かる。
うわ……なんか……胸触られると――――……。
……っ……ひびく……っ……。
昨日まで胸なんか、こんな意味で、触った事すら、無かったのに。
すぐ、玲央に気付かれて。
合わさった口の間で、玲央が少し笑ったのが分かる。
「――――……あっ……っ」
下に触れられて、一気に刺激される。
――――……そもそも、普段、そういう欲が、そんなに強くない。
体的に、たまってるかなーと思う時に、処理する位。
自分でする時とは、全然違う、玲央の触れ方。
気持ちいい、通り越して、変になりそうで。
……怖くなる。
ぶる、と顔を振って、キスから離れて、玲央の手を押さえてしまう。
「やだ……玲央……はや、い……っ」
「早い?」
「……っ……て……」
「……ん?」
「……手、早すぎ……」
「ん。 大丈夫だから――――……手どけてて?」
くす、と笑った玲央に手を避けられて、また、キスされる。
「……ン……っ……ぁ……!……」
少し後――――……あっという間に、昇りつめて。
激しく舌を絡められて。
「……っ……」
昇りつめた感覚が消えなくて、体が、強張ったまま。動けない。
「……んっ……ぁ……」
ゆっくり、唇を離されて。
なんとか、瞳をあけて……何だかもう、色々にびっくりして。
玲央を、見上げる。
「……優月?」
「――――……っ……早すぎ……ない? オレ……」
いくら何でも、あっという間すぎて、ほんとに驚く。
恥ずかしくなって、手で口元というか、顔を隠しながら、俯いてく。
「……はずかし――――……」
隠れられるなら、隠れてしまいたいと思うレベルで恥ずかしいのに、
顎を捕らえられて、顔を上げさせられる。
「――――……ちゃんと、オレにされるの気持ちいいって覚えてたんだろ」
くす、と笑いながら言う玲央に、ますます恥ずかしくなって。
熱くなってる頬に、キスされる。
……っ……それにしたって…はやすぎ……。
なんかもう。オレ、むり。
……されっぱなしって、恥ずかしすぎる……。
じっと、玲央を見上げる。
「……玲央?」
「ん?」
「――――……昨日さ」
「ん」
「次、オレするって、言ったでしょ?」
「なにを?」
「……オレが、今度、するって……」
「――――……」
ああ、と思い当たったみたいで、んー、と首を傾げてる。
「……だめ?」
「……んー……。優月、ほんとにしたい? 別に無理にする事はねえし」
そんな風に言う玲央に、む、と見つめる。
「……されっぱなしなの……なんか、嫌だから」
言ったら、少し目を大きくして。
ぷ、と笑って。
「――――……じゃあ、してもらおーかな」
顎に手がかかって。
唇に指が触れた。
「……がんばる」
「がんばるって……」
くす、と笑う玲央の優しい瞳が更に緩んで。
まっすぐ、見つめられる。
うー……この人に、オレ出来るかな……?
――――……ドキドキが、やばい。
玲央がバスタブの端に腰かける。
開いた脚の間に、膝をついて座る。
「――――……とりあえず、好きにやってみる?」
ちょっと楽しそうな玲央が、クスクス笑いながら、頬に触れてくる。
うう。
……恥ずかしすぎ。
……でも、今からとんでもない事、しようとしてるのに。
全然嫌じゃない自分が謎すぎる……。
「……無理なら、ほんといいけど?」
クス、と笑う玲央に、ちゅ、とキスされて、そんな風に言われるけど。
ぶるぶると首を横に振る。
……無理じゃない、ていうか。
してみたい、んだよね。――――……玲央が、昨日、してくれた事。
すごい、ドキドキするけど。
ともだちにシェアしよう!