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第129話◇

【side*玲央】  だいすき  この言葉が。  こんなに愛しいとか  ――――……謎すぎ。  むしろ。  わずらわしいと、思う事の方が多かったのに。  ――――……マジで、可愛い。  出会ってから、会うたび話すたび触るたび、可愛いと思ってるのに。   なんでだか、ますます可愛く見えてくる。   可愛いって思う事に、際限て、ねえのかな。  可愛すぎて、大事に思う。  激しくするよりも、触れるだけの、キスをいくつも、落とす。  なんか、可愛すぎて、大事すぎて、  ――――……服、脱がせるのも、ちょっとためらう。  どうすっかな。  ――――……この可愛いまま、抱いて寝るか?  でもやっぱり――――……今すぐにでも、裸にして、とも思うのだけど。  ただひたすら純粋に、可愛く、  だいすき、なんて、言われてしまうと――――……。  優月なんて、一緒に居られればいいとか。そういうこと、平気で言うタイプな気がする。  性欲、強く、なさそうだし。  他人に触られるのが初めてにしたって、自分でした事位あるだろうに、多分、快感を追い求めるとか、どーやればイイかとか、全然考えもしてなかったんだろうなと、触れた時思った。  少し違う触れ方するだけで、すぐ悶えるし。  そんなのも、めちゃくちゃ可愛いけど――――……。  こんな、毎晩のようにこんな事に付き合わせてたら、嫌がられるかな。  ……いやでもな。やっぱり、触りたいけど。  優月の心臓の音、すごい。  壊れちまうんじゃないかな、と思う位。バクバクしてる。  可愛すぎて手が出せないとか、ちょっと初めてすぎて、どうしようかと思ってしまう。  首筋にキスしたら、竦めて少し逃げられたので、手首を軽くつかんで、押さえた。 細い、手首。 軽く押さえてるだけで、力もほとんど入れてないけれど、そのまま、動かない。 なんだか、一生懸命な顔で、見上げてくる。  あー…… ほんとに、可愛い、な。  ちゅ、と触れるだけで、何度も、口づけた。  これ以上深くすると――――…… 歯止め、きかなくなりそうで。 「……優月」  ――――……今日は、このまま休むか?  そんな、柄にもなさすぎる事を聞こうか、やっぱりやめようか、一人心の中で、迷っていた時。  掴んでた手首がぴくん、と動いて、する、と抜けた。  そろそろと、首に、回ってきて。 「……優月?」 「――――……玲央」 「……ん?」 「なんで――――……」 「……ん?」  なんで?  抱き付かれて、優月の顔が、肩に埋まってるので、表情が見えない。 「ゆづき?――――……」  少し離そうとした瞬間。  ぎゅ、と抱きつかれて――――……唇が、重なってきた。 「――――ゆづ……」  舌が、躊躇いがちに入ってきて。そっと、オレの舌に、触れた。  ――――……え。  驚いた。  舌に触れて、すぐ、少し離れて。  なんだかものすごく、恥ずかしそうに、見つめてくる。 「優月……?」 「なんで、ちゃんと、してくれないの……?」 「――――…………っ」  やば……。  ――――……寝かせてやるとか、吹き飛んだ。 「――――……あー、ごめん、可愛くて」 「――――……?」 「なんかお前が、可愛すぎて……エロイ事して良いか、ちょっと迷ってた」  「……っなに、それ……」  かあっと赤くなる優月。 「――――……お前、オレにされるの、怖くない?」 「……だったら、来てないし」 「……毎日だと嫌じゃないか?」 「――――……嫌なら、ここに、居ない、し……」  ……あー。可愛い。 「優月、舌、べーてして」 「え。……ん?」  恥ずかしそうに、舌を出してる。  ゆっくりその舌に触れて絡めながら、優月を枕に押し付けた。少しも、キスから逃げられないように片手で頭を押さえて、片手で、バスローブの紐を、解く。 「……んっ……ぅ……」  深く重ねてキスしてると、優月がはぁ、と息をつく。   「……優月」 「……?」 「――――……こうしてほしかった?」 「……っ」  かあっと赤くなって。――――……でも、すぐ、頷く。 「はは。――――……かわいいな、優月……」  深くキスしながら、胸に触れて、乳首に触れる。  ぴくん、と体が震える。  キスして塞いだ喉の奥で、声が漏れる。 「――――……ん、……っぁ」  もうここ、ちゃんと、気持ちよいの認識してるな。  ぷち、と立った乳首を、指先でこねる。  びく、と震えて、顎が反りそうになるけれど、深くキスして、押さえる。   ――――……もう、エロイ顔、してる。 「……ん……ん、ぅ……っ」  ――――……声。すげー可愛いなー……。  どうしようもなくて、漏れる、みたいな、喘ぎに熱くなる。  舌。優月から入れてきたの。  ……めちゃめちゃ、可愛い。   「なんか、オレすげえ……コーフンしてるんだけど」 「――――……っ?」 「……分かる?これ」  優月のそこに、ズボン越しに押し付けると。  とろん、としてた優月が、目を大きく見開いて、一気に真っ赤になった。 「やばいな――――……これ……」  はあ、と漏れる息が、熱い気がする。  そのまま、真っ赤な優月に口づける。舌を吸うと、ん、とすぐ声が出る。  舌吸われんの、好きだよな、優月。  ……可愛い。  

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