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第131話◇
「……つーか。オレ、本当にお前が可愛くてしょーがないんだよな……」
「――――……っ」
嬉しいけど恥ずかしいし、返事をできないでいると。
クスクス笑いながら、頬にキスされた。
「……触っていい?」
「……ん」
……ダメなんて、言える訳ないし。
玲央はよく聞いてくれるけど。頷く以外の選択肢がある気がしない……。
頷くと、ちゅ、と首の後ろにキスされて。
なんか、いちいち、一つ一つが、優しすぎて、くすぐったい。
後孔の周りに、優しく、触れられる。
つつくみたいな。慣らすような、優しい触れ方。
――――……体が、玲央の指につられて、ぴくと、震える。
「――――……っ」
ゆっくり、中に、入れられた感触。
息をひそめて、耐える。
痛くはないけど――――……やっぱり、なんか、異物感。ぎゅ、と知らず締めてしまうと、玲央が片方の手で腰に触れて、優しい声で囁く。
「――――……昨日やったの覚えてる? 力入れて、それからゆっくり、力抜いてみて?」
腰を支えてくれてる手が、熱い。 気持ちいい。
「………っ」
力を抜くと、そっと、指を抜かれて。
抜かれる時に、ぞわっとして慌てて締め付けようとすると、またその中を、ゆっくり入れられる。 なんだか、途中からはずっと、ぞわぞわが背筋を走ってて。
「――――……っ……ン……」
息が、上がる。 体温も。
不意に、後ろから前に手を回されて。きゅ、と握られる。
「あ……っ」
「――――……ちゃんとこっちも感じてて、エライな、優月」
「……っふ……っ……」
「……すぐ反応するし――――……ほんと、可愛い」
そんな風に言う玲央に、背筋、舐められる。
「ん、あ……っ」
びくん、と反って。中の指締め付けて。
玲央の手に、軽く、出してしまった。気が、する。
「――――……ん、っふ……っ」
「………ほんと感じやすいなー……も少し、頑張ってな」
「――――……っあ……っ」
さっきより、奥に、入れられる。
たぶん、1本じゃなくなって。
中で指を曲げられたり、中、擦られたり。
頭の中が、まっしろに、なってく。
「優月、おいで」
「……っ?」
なすがままに、上向かされて。
脚を開かれて。奥に、指を、挿し入れられる。
枕に抱き付く事で耐えてたのに、それがなくなって、一気に心細い。
「……ン、ぁ……っ……」
のけ反った顎を捕らえられて、めちゃくちゃキスされる。
縋るように、玲央に抱き付いて、キスを受けてると。
涙のせいで、目が霞む。
「ンん、……っ……んぅ……」
「――――……は。……っすげえ、可愛い顔してるし…」
「――――……ッんん……ぁ……」
「あー……もう――――……」
そんな風に呟く玲央に、また、舌を奪われる。
「――――……んっ……」
なんか――――……ほんとに気持ちいい。
玲央の手は――――……なんでこんなに、全部、気持ちいい、のかな。
もう、体、熱すぎて。
さっきからどれだけ時間、経ったんだろ――――……もうなんか、全然分かんない。 また、オレばっかり、気持ちよくされてる気がしてくる。
そんなとこ、そんな風にされるなんて、ついこないだまで、まったく考えてもなくて。 そこが気持ちいいなんて、想像したこともなくて。
そもそも、男同士で、触れたりキスしたり――――…
考えた事もなかったのに。
「――――…優月……大丈夫か?」
ぎゅ、とつむってた瞳を開けて、真上にある瞳を見つめ返す。
それに。
こんなに。
人、好きになるなんて。
見つめあうだけで、胸の奥が、疼くなんて。
そんな風になるなんて。
「――――……れ お……」
名を呼ぶと、ふ、と緩む、優しい瞳。
それを見てると、また、浮かぶ気持ちは。
昨日まで、思っても言えなかった、言葉。
今日、いっぱい言って良いって言ってくれた、言葉、で。
「……れお、大好き」
口に出すと、なんだかもっと大好きになる気が、する。
手を伸ばして、玲央に抱き付くと。
は、と玲央が、息をついて。
「――――……ほんと、なんか……たまんねぇな……」
言った玲央に、深く口づけられて。
もう、これ以上好きになれない位、好きな気がするのに。
――――…触れ合う度に、もっと好きになってく気がする。
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