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第147話◇

 キス。 したい。  ……可愛い。 「……ん……っ……」  絡めた舌を、ゆっくりと外した。  ふ、と瞳が開く。 「……れお……」  じ、と見つめられる。 「……ゆづき?」 「……玲央、あのね……」 「ん?」 「……舐めていい?」 「……ん?」  今なんつった? 「玲央の、舐めたい」 「――――……」  キスでぽわんぽわんしてる顔で。  ――――……じっと下から見上げてくる。 「オレの? ……フェラすんの?」 「……っ……うん、する」  はっきり口に出したら、一気に赤くなって。でも、うん、と頷いてる。 「……いーけど。何でしたい?」 「――――……玲央、ばっかりするから……オレも何かしたい」  ……なんだそれ。……可愛い。 「……いーよ。ここ、座ればいい?」 「……うん」  一生懸命な顔をしてるのに笑ってしまいそうになるけれど。  そこはちょっと堪えながら、バスタブの端に腰かける。  意を決したような顔で、足の間に入ってきて。  手でそっと触れて、じっと見つめてから、ぱく、と口に含んだ。 「――――……ん……」  ……んー。  ――――……まあ。……下手、なんだけど。  つか2回目。うまい訳ないんだけど。 「優月、こっち、向いて」  頬に触れて、顔上げさせようとすると。  ちら、と上を見て目が合った瞬間。   ぎゅ、と目を閉じて、下を向いた。 「……恥ずかしい?」 「……っ」  うん、と頷いてる。見つめあったままやる、とか、無理か。  くす、と笑ってしまう。 「――――……最初は無理に口に入れなくていいよ。舐めて?」 「ん……ふ……」  うまくはないんだけど。  一生懸命なのが可愛くて、興奮する。   「ん、そこ、強くして」 「……ぅん……ん、ふ……」  たぶん、オレがやってるの、まねしようとしてるんだろうけど。  まだまだ拙くて――――……どこまでも、可愛い。 「前の覚えてるか? 優月の口んなかの気持ちいいとこに、当てて?」 「……ぅん……」  下に居る、優月を見てると、目に映る乳首。  悪戯したくなって。そっと、胸に手を這わせて、乳首をきゅ、とつまんだ。 「――――……っ」  ぱ、と咄嗟に口を離す優月。 オレは、優月の頬に触れて、撫でた。 「そのままやってて。口、入れられる?」 「 ン――――……んん……っ」  爪先で、弄り続けてると、何度か口から外しそうになりながらも。  また頑張って、続けてる。   首筋につ、と指を這わすと、「ん」と声を上げて。  しばらく頑張っていたみたいだけど。  ふる、と首を振って、見上げてきた。 「れお、でき、ないから……さわんないで」  とろん、と上気した顔で。  完全に涙を浮かべた瞳で、途切れ途切れ言われると……。 「……可愛いなぁ、お前……」  涙を拭き取って。親指で唇に触れる。 「オレ、最後までしたいから、邪魔しないで……?」 「――――……分かった」  ふ、と笑ってしまいながら、手をバスタブの端に戻す。

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