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第151話◇
「んー……… 優月結構忙しいのか」
「…うーん?… 忙しいって程じゃ… 毎日学校から帰るだけっていうのもつまんないし…だから約束して……」
「――――…今週、全然他の奴と会えてないだろ?」
「…だって、玲央と会ってたから…?」
…何が言いたいんだろう。
「…でもオレ、玲央と会いたかったから…全然いいんだけど… 何がいいたいの?」
「――――…んー……」
それきり後ろで、ちょっと黙ってる。
「だってそんなこと言ったら、玲央だって、ずっとオレと居てくれたから… 他の人と会えてないでしょ?…」
そう言ったら、玲央はすぐに。
「…オレがお前と居たくて、オレが毎日誘ってたんだし、オレのことはどーでもいいんだよ」
そう言ってくれた。
――――………。
言葉が出なくて。
……なんだかな。
…玲央って。
こんな、見た目で。
……相手が、いっぱいいるとか言って。
…………そういうことにめちゃくちゃ慣れてて。
…やらしいこと、めちゃくちゃ、上手で。
カッコイイとか、色っぽいとか、そっちの人だと思うんだけど…
………なのに、何でたまにこんなに、
…………可愛い?… のかな?…
この人を、可愛いって思ってるオレが、おかしいのかな?
でも、なんか――――……
どうしても…そう思ってしまう。
――――……なんだかな。
…ズルいな。 カッコ良すぎなくせにたまーに可愛いの。
「――――…なあ、お前、オレのマンションに来る?」
「……ん? え??」
何言ってるのか、よく分からない。
…何て??
……どういう意味?
「ここさ、誰かと会ったり、貸したり、バンドで集まったり、そういうマンションな訳」
「うん…聞いたけど」
「オレがちゃんと住んでるマンションは、ここじゃないンだよ」
「――……うん…?」
「……そっちのマンションに、来る?」
「……行っていいの?」
「…そのまんま、住んでもいいかも…と思って」
「…ん???」
咄嗟に振り返って。
まじまじと、玲央を見つめる。
…玲央は今、何を言っているんだろう??
そう思ってたら。
玲央が、はーと、息をついて、オレの頬に触れた。
「…何言ってんだろ、オレ」
そんな風に言ってる玲央に、思わずぷ、と笑ってしまう。
「――――……ちょうどいま、オレもそう思ってた」
「あ、そ」
玲央もクッと笑って、オレの頬から、首の後ろに手を回した。
そのまま引き寄せられて、キスされる。
「………っ…ん――――…」
深く深く、キスされて。
絡んだ舌をゆっくりと離されて、じっと見つめられる。
「――――……………オレ、マジで何言ってんだろ…」
「……玲央?」
「………なあ。今思ってること、一応言っといていいか?」
「…うん?」
じっと、見つめられる。
…綺麗な瞳。
ほんと。整った、顔。
綺麗な、手が、すり、と頬を撫でる。
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