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第152話◇
じっと、見つめ返すと。
玲央はちょっと、眉を寄せた。
「………オレ、ずっと、今週みたいに、しそうでさ」
「うん…?」
「…でも、お前もやることあるし」
「――――…うん…」
「だから、お前がオレんちに暮らせば、帰ったら一緒になるからそれでいいか、って一瞬浮かんだんだけど」
「…ん?――――…え?」
…くらす? 暮らす? …玲央のうちに、暮らす?
たぶん、ものすごく、間抜けな顔、してたと思う。
そうしたら、玲央がふ、と苦笑いを浮かべて。
「…でもな、優月」
「…うん?」
「いっこ、引っかかることがあってさ」
「…うん…??」
「オレ、人と一緒に住みたいとか、一瞬でも思ったの初めてで。つうか…そもそも、オレんちに人を入れたこと、ないんだよな…」
「――――……」
…誰も連れてったこともないのに。
――――……オレと、暮らすって。言ってんの?
「だから、ほんとに――――… オレ、何言ってんだろって、今すげえ思ってんだけど…」
じっと玲央を見上げていたけれど。
なんか、すごく困ってるっぽい玲央に。
なんか、胸がきゅ、と痛いくらい。
愛おしくなってしまって。
玲央の首に手を回して、ぎゅ、と抱き付いた。
「…優月?」
「……よく分かんないけど…… 大好き…玲央」
「――――……ごめんな、思ったまま…よくわかんねえで言ってるし。…オレ…今――――…優月と居ると、オレらしくなさ過ぎて、頭、バカんなりそうなんだよな…」
「……ん…そう、なんだ――――…」
頭バカんなりそう、だって。…なにそれ。
こんな。 なんでも知ってそうな人なのに。
やっぱり、可愛く思えてしまって、くす、と笑ってしまう。
「――――…優月…とりあえず…今度、オレん家、行こうな?」
「初めて入るの? オレ」
「家族以外ではな」
「うん…連れてってくれるなら、行く」
「連れてく。いいよ、そのまま、泊って」
そんな風に言って、頬にキスしてくる。
「――――……玲央って…」
「…ん?」
「………そんなに、オレと…居たいの??」
思わず直球で聞いたら。
「…つかオレ、ずっと居たいって言ってるよな?」
直球で返ってきて。
「――――………」
あんまりにまっすぐ見つめられて言われると、一気に恥ずかしくなって…かあっと、赤くなってしまった。
「…また赤くなる……つか、今聞いたのお前じゃんか」
ぶに、と頬をつままれて。
そのまま、引き寄せられて、キスされる。
「…なんなの、お前…可愛すぎなんだけど…」
ちゅ、ちゅ、と色んなとこにキスされて。
くすぐったがってる間に、唇を塞がれて。
めちゃくちゃ深く、キス、された。
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