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第161話◇そばに居る意味

【side*優月】  月曜から木曜まで4日間。  すっごく濃く、玲央と居てしまった。  ……どれだけキスしたかな。  キスが大好きっぽい玲央は、ずーーっとずーっと、キスしてくるし。  キスしてた時間、トータルで何分?とか、思ってしまう。  唇って、腫れないのかな?と、純粋に思う位。  他の人とキスしないとか言うけど……。  そこはきっと嘘だよな……。  だって、何してたって、キスしてくるし。  キス大好きな人だと、思うし。  昨日……じゃないかもう、今朝か…。  4時頃からふたりでベッドに入って、色々話してて。  蒼くんの話をした後、結局めちゃくちゃキスされて。  なんか酸欠というのか……頭ぼうっとしすぎてるというか。  その間に、また、うとうとして。目覚めたらもう7時だった。  シャワー浴びて、髪を乾かしてもらってセットしてもらって。  ――――……玲央は1限取ってないのに、また一緒に来てくれて。  もう部室の方に行ってしまったけれど、昼はカフェに行こ、と誘われて、クロの所で待ち合せた。    ……玲央が大好き。  何してても、思ってしまう。  離れたばっかりなのに、今すぐ、会いたい。  ――――……なんて、本気で思ってしまう。  お昼が待ち遠しいなあ。  ……でも何だか、本当に、まずいかな、と思う。  好きになるスピードというか。  知り合ってから、あまりに一気に、好きになりすぎてしまって。  改めて思うと、不思議すぎて。ちょっ怖い。。  しかも相手。男の人、なのに。  ……しかも、色んな人と関係のある人。  ……少しだけでも一緒に、と始まったから。  すぐ終わるものだと思ってたから。  ――――……こんな風にずっと一緒に、とか居てしまうと。  ……少し迷う所は、出てきてしまう。  一緒に暮らす?とか。  ……びっくりしたけど。  ていうか、玲央自身も、自分で言って驚いてたみたいで。  ちょっとおかしかったけど。  もし一緒に暮らすとしたら、だよ……?  ……ん? 他の人とする時は、オレを玲央の家に置いて、いつものあのマンションで、玲央はするの……??とか。  ……実はそんな事も、ちらっと。  一人の時に、頭をよぎったりもした。  ――――……オレが見てない所で知らない内に、今まで玲央が関係していた関係を続けて、ていうのは、ある意味諦めているというか。  ……別に最初から分かってたし、と思うのだけれど。  ……今この瞬間、玲央が誰かと、してるのかな、と、思うのは。  しかもそれを、玲央の家で待つの?とか思うと。  さすがに……ちょっと、切ないかな。なんて……。  ……でもまあ。  玲央は、オレ何言ってんだろ、ってすごい戸惑ってたし。  今すぐ一緒に暮らそうって言われた訳じゃないし。  一緒に暮らしてもいいって、少しでも、思ってくれたのは。  そこは素直に、すごく、嬉しいのだけれど。  たまに複雑な想いが、よぎるのは。  ……オレが玲央を、好きになり過ぎてて。  一緒に居てほしいとか。  ……最初よりも思っちゃってるから、だよな、きっと。  ……でもさ。  ……あんなにあんなに、優しくされて。  可愛いって言われて、すごく可愛がられて。  抱き締められたり、キスされたり  ずーっとで。  一緒に居たいって言われて。  …………しかも、あんな、立ってるだけで、人目を引く、  ヤバいくらい、カッコ良すぎる人がさ。  こんな風に、隣に居てくれちゃったら。  ……誰だって、好きになっちゃうよ……。  オレが玲央を好きなのは、もう、オレのせいじゃないもんね。  もう必然というか。  ……そうなるしか、ない、というか。  うん。何がと言う事は無いのだけれど。  漠然と、なんとなく、好き度が高すぎて、やばい気がしてる。  でも。  ――――……やばいんだけど。  ……会える限りは、会いたいから。  ……お昼が楽しみ過ぎなんだけど。  もう、さっき最後に玲央が触れていった頬が、  思い出すだけで、くすぐったい。  別れる時、ふ、と優しく笑った瞳が。  思い出すだけで、大好きすぎて。  胸の中が、熱くなる。

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