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第174話◇

   ローションが玲央の手に垂らされて。オレの後ろにも、垂らされた。  冷たくて少し戦慄いたそこに、玲央の熱い手が触れて。指が後ろに這った。 「……っ……」  ぬる、と挿しこまれる。  ――――……これで、されるの、何度目だろ。  中が気持ちイイのは、前の時に、もう分かった。  玲央にされる事、何でも全部受け止めてしまうのは……。  やっぱり好きすぎるからかなあ……。 「……んん……っ……ン……」  指を少しずつ増やしながら、中を慣らされる。  途中でローションを足されながら。  指が動くと、中で、ぐちゅ、と湿った水音が響いて。  耳からのこんな音すら、オレには刺激が強すぎて、頭がおかしくなりそう。 「――――……っ……んんっ」  ……あ――――……気持ちいい……やばい、そこ。  玲央はどうして、分かるんだろう。オレの、気持ちイイ所。 「……ん、ぅ……っ……」  びくん、と体が震えてしまう。 「……ふ……っ」  ……ゾクゾクする。  枕に頼りながらも、作った拳を口に当てて、声を押し殺す。  そのまま、どれくらいなのか、とにかくしばらく、慣らされた。 「……もう平気そう……?」 「……っ……」  息を殺しながら、頷くと、玲央が少し笑う気配。 「力入りすぎ。優月」    頭を優しく撫でられて、ほわ、と緩む。  また、胸が、きゅん、と締め付けられる。  緩んだ中を強く刺激されながら、苦しい姿勢で後ろからキスされて。   「……れ お……」  指が抜かれて。少しして、後ろから熱い塊が押し付けられた。 「え……」  後ろからするの? 「前、向きたい……」  そう言ったら、玲央はふ、と瞳を細めた。 「後ろからのほうが、楽だから。今はこっち、な」 「――――……」 「今度する時は、抱き付いて」  ちゅ、と頬にキスされる。  なんだか簡単に納得して、オレはもう一度枕に抱き付いた。 「滑りの良いゴムつけたけど…痛かったらすぐやめるから言えよ?」 「……うん」 「力抜いて。……深呼吸してて?」  言われて。  上がった息を何とか堪えながら、深呼吸を繰り返してると。  呼吸に合わせて、ゆっくり、中に入ってきた。 「ん……っ……く……」 「……優月――――……息、して」  耳元で言われて、ん、と声が出た瞬間。  ずる、と中に押し込まれた。  指とは、違う。圧迫感がすごい。  でも、なんか……痛くはない。   「……っ……ンあっ……」  ゾクゾクした感覚が半端じゃない。  どうしてたらいいんだろ。 「――――……っ……」  玲央が、首筋に、かぷ、と噛みついた。  痛くはなくて。ぞくぞくが強まるだけ。 「……ん、ン……あっ……」  前に手が回ってきて、触れられる。一度引いた腰を、もう一度、中に押し込まれた瞬間。 「……っンあ…………」  ぞくん、として。軽くイッてしまって。  後ろの玲央を、ぎゅ、と締め付けた。 「は――――……マジか……」 「……っんん……っ」 「今、イッたの? 優月……」 「……っだって……気持ち、いい……」  言ったら、玲央が後ろで、ふ、と笑う。 「――――……お前、ほんっとに、可愛い……」  言うと、玲央はオレの腰を押さえた。  ゆっくり、奥まで、入り込んできた。  うわ、これ――――……どこまで……。  背筋がゾワゾワに耐えきれなくて、反る。 「ぅあ……っあ……ン、ア……」  ゆっくりゆっくり進まれて――――……。  玲央の体が、オレの体と、ちゃんと合わさった所で、全部入ったんだと、悟った。 「……は……ぁっ……」  ――――……ほんとに、入るんだ……すごい――――……。  なんか…… すごい、気持ち、いい……。  強張ったまま、それを感じてると。  玲央が、はあ、と息をついて。ぎゅっと後ろから抱き締めてきた。 「優月、平気? 痛くないか?」 「……うん……っ……へ、いき」    痛くはないけど……熱い――――……。  玲央の息も、玲央の体も、全部。  多分すごく興奮してて、なんか……すごい熱くて。 「……れお……」  なんでこんなに、溶けちゃいそうになるんだろう。  ――――……こういう事すると、皆、こんなになるのかな……。    玲央が、上手だから?  オレが、玲央を、大好きすぎるからかな……。  どっちもかな……。 「優月……?」 「ん、ん……?」  玲央が体を重ねて、顔を寄せてきた。  必死で、顔をあげて、玲央を振り返る。 「ちゃんと、繋がったの分かる?」 「う、ん」  頷くと。玲央は、はあ、と息を吐いてから、くす、と笑った。 「……ちゃんと、気持ちいい?」 「――――ん……気持ちいい…のと…」 「気持ちいいのと……?」 「……嬉しい」 「――――…………」  黙ってしまった玲央は、はあ、とタメ息をついた。 「……めちゃくちゃにされても、文句言えねーと思うけど……」 「――――え??」  ずる、と引き出されて。  緩く、ゆっくりと、また押し込まれる。 「……ん……っ」 「――――……嬉しいの? 優月……」 「ん……ぅん……」 「――――……可愛いなあ……ほんと」  後ろから、むぎゅ、ときつく抱き締められる。 「……でも、ここまでな」 「――――……ひ、ぁっ」  ゆっくり抜かれて。変な声が出たまま硬直していたら。  ゴムを外した玲央が、「優月、股閉じてて」と言った。  玲央のが、股の間をこじ開けてきて。  あ、と思い出して、脚に力を入れる。  何度も抜き差しされて。  最後は、玲央の手に擦られて。玲央とほぼ一緒に、イってしまった。 「――――……っん……」  震えが収まらない体を、ぎゅ、と後ろから抱き締められる。  包み込むみたいに抱かれて。 「大丈夫?」 「――――……ん」  息を整えながら、頷く。  ――――…………玲央と。ほんとに。  ……繋がっちゃった。  なんて。  思いながら。  ふ、と息をついた。

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