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第246話◇

  「優月……」  少しだけ離した唇の間で、玲央がくす、と笑う。 「ん……?」  名を呼ばれて、ぼんやりとした視界で玲央を見上げる。 「可愛すぎ……」  ちゅ、と頬にキスされる。  可愛い。可愛すぎ。玲央、よく、言うけど。  ……何で可愛いって玲央、言うのかなと、本当にいつも思うけど。   玲央がオレを、可愛いっていう時の。  優しい瞳が大好きすぎて。 「……玲央……」  バスローブは、はだけたままの玲央。  視界に、玲央の興奮してる顔と、さっき触れたくてどうしようもなくなった裸が、一緒に飛び込んできてて。 「……なんか。ヤバい。興奮しすぎてて。優しくしたいんだけど」  そんな風に、言われると。きゅ、と胸が縮む。 「……そんな、優しくなくても、いいよ」 「――――……」 「……玲央の、したいようにしてくれて、いいよ」 「優月、どした? ……すげー煽るな?」  頬に触れられる。 「だって、オレ……玲央……大好きだし……」  思うまま、言葉が湧き出るままに、素直に言ったら、それで。  言い終えた瞬間。  玲央がめちゃくちゃキスしてきて。 「……ん、ん」  ――――……ぎゅ、と抱き付いたら。  玲央が、熱っぽい瞳を緩めて、くす、と笑って。 「――――……もう無理って位、気持ちよくしてやるよ」 「……っ」  ふ、と笑まれて。  言われた言葉を理解して、かあっと赤くなる。  こんな、恥ずかしい、セリフ。  ……こんな似合うって、すごいと、思ってしまう。  ――――……どーしてこんなにカッコいいかな……。  ぎゅう、としがみついた。     背を後ろに沈めたまま、深く口づけられる。  もうさっきから、キス、激しくて。  舌、溶けそうに、熱い。 「……んン……ぁ……ふっ」  もうずっと、気持ち、いい。  無理って位気持ちいいって。今も、結構そうなんだけど……。  キスしながら、裸の肌を、玲央の手が撫でる。  手が熱くて。ぞくぞくした感覚に、ぶる、と震える。  指が乳首に触れて、掠めて刺激される。 「ん、ぁ…!」  びくん、とのけ反ったせいでキスが外れる。 「――――…っ」  胸なんか。  こんな気持ちいいとか。  玲央に触れられて、知った。  でもまだ、その感覚に、全然、慣れなくて。  噛みしめた唇に玲央が、そっと唇を重ねてきた。 「……声、出せよ」  唇に舌を挿し入れられて、絡められる。 「は……ん、ぁ……」 「優月……」  ぺろ、と首筋に舌が這って、そこから、玲央の頭が、下に降りていった。  何をされるれか分かって、息を詰めて、ぎゅ、と瞳を閉じる。 「……ひゃ…っ」  分かっていたのに、変な声が漏れる。  舌で刺激されて、もう片方は。指先で弄られる。 「…っぁ……」  これ…何回されても、恥ずかしすぎて……。  でも、されるほどに、ゾクゾクが増えてる気がする。 「……れ、お……っん……」  玲央の手が、脇腹を滑って、下に降りて行って。  当たり前みたいに、それに触れる。  さっきから熱くて、分かっていたけれど、触れられると、反応しまくってたのが、余計に分かる。 「――――……あ……んんっ……」  玲央の手、気持ち良くて。  ――――……どうしたらオレが気持ちいいか、もう完全に分かってるみたいで。あっという間に、何も、考えられなくなる。声も、抑え、られなくて。  胸を嬲ってた舌が外れて。  玲央の頭、どんどん、下がっていく。 「――――……れお……? あ、ちょ、待っ」  何をしようとしてるのかまたそこで悟って、その肩に触れて止めようと、したけれど敵わず。  もう、何度目、なんだろう、また口に、含まれて。  熱く吸われて、擦られて。  ……だ、めだ。  したいようにしていいとか。  ……もう、言わないように、しないと。    これ、ほんと、きつ、い――――……。 「……っあっ…やぁ……ん、んんっ……!」  堪えようと思っても、全然、無理で。  ビクン!!と、体が反って。真っ白になる。 ◇ ◇ ◇ ◇◇ ◇ ◇ ◇◇ ◇ ◇ ◇ (/ω\)

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