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第280話◇

 バスルームに着く。  広い、綺麗――――……と一瞬、ぱ、と見たけれど。  すぐに首を通して上を脱がされて、性急なそれに焦るけど、何も言えないまま、すぐ唇を塞がれて、舌が絡む。 「……んっ……んん」  めちゃくちゃキスされながら、玲央の手がオレのベルトにかかって、あっという間に外されて、ズボンも下着も脱がされる。 「…………っ」  1人だけ裸にさせられた事にめちゃくちゃ焦って、舌が引っ込んで、玲央の舌と外れる。 「や……」  少し収まってた熱も、今ここに来てからされてるキスで、すぐによみがえって、完全に反応してて。  絶対玲央、今、ズボンと下着下ろした時に、気づいてる、し。  ――――……恥ずかしすぎる。  ぎゅ、と目を伏せて、思わず玲央と離れようとしたら。  顎を捕られて、上向かされて。 「ダメ。離れんな。オレ見て」  言われて、辛うじて、玲央を見ようと、瞳を開ける。  いつも見つめあうと優しく緩む瞳が、今は何だか、熱を持って、昂ってるみたいで。緩まない瞳に、ぞくっとした感覚に、また襲われる。 「舌、出して」  玲央の指が下唇に触れて、少し下に開けさせられる。 「――――……っ」  見つめ合ったまま、舌、おずおずと、出したら。  噛み付くみたいに、食べられた。 「――――……っ……ンん……っ」  ……なんか――――……。  ぴったり塞がれたみたいな。  隙間、無いみたいに。  重なって。  苦しいのに。  ――――……甘くて。 「……ん、ふ、ぁ…………」  涙がぼんやり浮かんで、視界が完全に曇って。  喘いだ瞬間、つ、と、目尻を伝って落ちた。  こんなキス、どう、応えればいいのかも、全然分かんない。  息すらも、全部玲央の、思うままにしか、出来ないような気がして。 「……ン、ぁっ……」  キスしながら、玲央の手が胸の先端を弄る。 「…………っン……」  玲央はまだ服、脱いでなくて。  オレだけ、全裸で。  死ぬほど恥ずかしいのに。  ――――……どうしよう。好きで。抵抗する気も起きなくて。  むしろ。  オレは。 「――――…………れ、お……」  唇の間で何とか、玲央を呼んで、玲央の伏せられた瞳を見つめる。  すると、玲央は、ふ、と薄く瞳を開いてオレを見つめ返した。 「ん……?」  キスしたままで、喉の奥で玲央が聞き返す。  色っぽいそれに、心臓がますますバクバクする。 「あ、の……」 「……ん? 何?」  舌先、触れ合ったまま聞かれて。  そのまま、また、深くキスされる。  なんかもうどんどん、熱が――――……下に、集まって。  もう、ゾクゾクした感覚が体中に広がって。 「……っれお……」 「……ん?」 「……し……下、さわ、て……?」 「――――……ん、いーよ」  くす、と笑う玲央が、オレの頬にキスして。 「ごめん。言ってくれるかなーて……ちょっと待ってた」    色っぽい、濡れたみたいな声で、玲央が耳元で囁く。  恥ずかしくて、熱くなる。 「可愛い、優月……」      またキスされて。  玲央の手が、胸からウエストに回って、どんどん降りてく。  頭の中、熱すぎて、心臓がうるさすぎて、  爆発しそう。  

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