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第318話◇

 すぐするのかなとか、思っちゃったけど、結局普通に洗われてバスルームを出た。髪を乾かしてくれて、ちゃんと寝る準備もして、明日の朝食用に炊飯器まで予約を済ませてから。  一緒に寝室に入って、オレはベッドに腰かけた。 「……なんか。意外、玲央」 「え?」  電気を暗くしてから、近づいてきた玲央に、ベッドに押し倒されて、背を枕に沈めながら、ふ、と笑ってしまった。 「――――……なんか……」 「ん?」 「……そういうコト、するってなったらすぐしそうなのに……」 「――――……」 「ちゃんと色々全部してから、ベッドなんだなーって。 そういえば、今までもずっとドライヤーとかけてくれてたけど……」  思うまま言ったら玲央は、クスクス笑い出した。 「今しかないなら即するけど――――…… 優月とはずっと居るだろ。全部終わらせてから、ゆっくり抱きたいし」 「――――……」 「そんな焦んねえよ。――――……でももう、こっからは、すぐにするけど」  ぷ、と笑いながら、玲央がオレの頬に触れた。  組み敷かれて、玲央に囲われて、キスされる。 「……ん――――……」  ……カッコイイなあ。  玲央。  ……こうやって、見上げるの、すごい、好き。  なかなか、普段、見れないアングル。  今は、オレだけが見れるんだと思うと、すごく、嬉しかったりしてしまう。 「――――……っ」  キスしながら、玲央の手がバスローブにかかって、解かれて。  胸をするりと撫でられる。  手、大きい。 普段いつも、玲央の指、綺麗って見ちゃうから。  その手が、触れてくれるっていう事もすっごく、嬉しい。  ……恥ずかしいけど。  胸に触れて、乳首を、指で刺激されて。  キスを外して、首筋から下がっていった玲央が、胸に舌を這わせてくる。    ……まだ、恥ずかしい、の方が勝つんだけど。  毎日毎日、どんどん気持ちよく、なっていく。  玲央の触れ方は、優しいけど。与えてくれる気持ちよさは、激しくて。  なんか、上手、で。 気持ちいいって感覚しか、無い。 「……れお……」 「ん? ――――……気持ちいい?」 「……ん。……く、すぐったい……」 「……気持ち良いって言って」  クスクス笑われる。 「や……そこで、喋んないで」  びく、と体が勝手に震える。 「――――……可愛いなあ、んとに……」  焦れたように玲央が言って、不意に体を起こしてきて、キスされる。  指で乳首、少し強く刺激されて、「あ!」と喉の奥で声が上がる。 「ん、ん……っ」  急にキスが激しくなった。胸をなぞってた手が外れて、キスだけに集中していたら、不意に胸に冷たい感触。一瞬瞳を開くけど、激しいキスに、またすぐ瞳を閉じる。  パチ、と、多分、蓋の締まった音。冷たいのは、きっとローションで。  胸に垂らされたそれを指ですくいながら、玲央の手が胸を撫でる。先端に指や爪を引っ掻かけて、色々刺激される。ぬるぬるして滑りが良くなると、また違う感覚に、襲われる。 「……っあ……」  キスと胸への刺激だけで、一気に熱くなる。  延々それだけが続いて、辛くて、腰を引いたら、玲央が喉の奥で少し笑った。手が胸から脇腹を滑って、下半身へと降りていく。  下、握られて、腰を引きたいけど、無理だし。  玲央の腕に、指をかけて、なんとか我慢する。 「……は。ちゃんと、すげえ反応してるな……」 「……っ」  胸だけで、「すげえ反応してる」とか。  すごく恥ずかしくて、かあっと赤くなると。また唇を、塞がれる。  玲央は――――……もう会ってから、ずっと分かってたけど。  かなりかなり、キスが大好きな人。  しかも、濃厚すぎてついていけないみたいなキスを、ずーっと、してくる。      キスだけだって、いっぱいいっぱいなのに。  他、色々触られながら、たまに離れた唇の間で、自分の状態を教えられる。  ……すごく、玲央も興奮してるみたいな、吐息を、唇の間で漏らしながら。  ほんとに、こう言う時の玲央はやらしくて、オレは、とにかく恥ずかしいけど。甘くて。――――……すこし意地悪な時もあるけど。でも、優しくて。  大好きすぎて、困る。

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