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第361話■番外編■クリスマス

番外編です■ 置き場所が無いのでブログに置いてたんですが、流れてしまうので、ここにおきます♡ 某コンテストで「恋なんかじゃない」を読者投票の8位にして頂いて。お礼のSSでした♡ 本編ではクリスマスには程遠いので書けないので。 前ページ時点での、玲央と優月の関係でクリスマスになったら。位の感じで。 ※としてお読みください♡ ※本編の2人はまだクリスマスもお正月も過ごしておりません(笑) まざちゃいそうでお嫌でしたら、このページのクリスマスと、次ページのお正月は、読まずに、次々ページの本編へと進んでください♡ 完全に番外編としてどうぞ…♡↓ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 「優月、これもそっちに運んで?」 「うん。もうこれで終わり?」 「終わり。運んだら座ってて」 「うん」  クリスマスイブ。  玲央と過ごす、初めての。  料理や飲み物を、ローテーブルに並べて、オレは座った。  すぐ隣の、クリスマスツリーを見上げる。  2週間位前に、「そういえばツリーとかクリスマスっぽい事何もしてないね」なんて軽い気持ちで言ったら。  その3日後、玲央が注文して届いたツリーは、もうかなりの特大ツリーで。買ったのも知らなかったから驚いたし、大きさにも驚いた。  オレより背が高いから、一番上の星は椅子に乗って飾ったし、飾りつけも、かなり大変だった。  でも。 「部屋消すよ」 「うん」  玲央の言葉に頷くと、玲央は部屋の電気を消した。  「うわー……やっぱり、すごい綺麗だね」  部屋が暗くなって、ツリーのライトだけになると。  飾るのは大変だったけど、大きいし、ライトもたくさんで明るくて、  もう、めちゃくちゃ綺麗で。 「乾杯しよ、優月」 「うん」  炭酸ジュースを入れたグラスを渡されて。受け取ると、玲央が、隣に座った。 「来年は酒でな?」 「うん。ちょっと楽しみだね」 「お前、弱そう」 「うん。そんな気が……」  そう返すと、玲央はふ、と笑って。  優しく見つめてくる。 「でもさ、そんなこと言って、オレの方が強いかもよ?」 「ん。まあ。そうかもな?」  クスクス笑いあいながら。  グラスを合わせて、乾杯をして。  一緒に作ったものをゆっくり食べながら。何だかすごく穏やかで。 「ピザ、美味しい」 「ん」 「ピザって、家でこんなおいしく、作れるんだね」 「優月……ケチャップついてる」 「ん、どこ――――……」  顎を捕られて、引き寄せられて、ぺろ、と舐められる。 「…………っ」  恥ずかしすぎて固まってると、玲央は、クス、と笑って。  そのまま、キスされる。  柔らかい、ゆっくりなキス。  少しだけ入った舌が、オレの舌に触れて、しばらく絡んで。  その内、離れた。  なんとなく。離れてしまった唇を、じっと、見つめてると。 「もっと?」 「――――……」  は、と気付いて、少し首を横に振るけど。ちゅ、とまたキスしてくれた。 「……すぐそーいう顔するよな……」 「……そういう……?」 「んー…… うっとりした顔? 可愛いよな……」  ふ、と笑って、頬をすり、と撫でてくる玲央。 「――――……ピザ味のキスは初めてしたかも」  よしよし、と撫でられて、そんな風に言われる。  なんだかものすごく恥ずかしくて、黙ってると。 「……クリスマス、2人でするの、初めて?」  そう、聞かれた。 「うん。オレ、誰かと付き合うの初めてだし」 「そうだよな」  ――――……玲央は、初めてじゃないよね……。  まあ当然だけど。  聞くまでもないなぁと思ってると。 「――――……オレも初めて。2人きりは」 「え?」  ……初めてなの?  玲央を見上げると。 「皆でパーティって方が楽で、ずっとそうしてたからな……」 「――――……そうなんだ」 「2人でこんな風にしたいと思ったの、初めてだし」 「――――……」 「……こんなに準備するとか、らしくなさすぎて、ちょっと笑える」 「……オレは。すっごく、嬉しいけど」  思うままを伝えたら。  一瞬黙った玲央が、ぷ、と笑う。 「――――……お前はさー……」 「……う、わわ……」  なんだかものすごくうまく抱き込まれて、あっという間にラグの上に倒されて、玲央に組み敷かれてて。 「――――……」  上から、じっと見つめられる。  クリスマスツリーのライトが綺麗で。  何だかいつもと違う風に、玲央が。  ……いつもよりもさらにカッコよく、見えて。  心臓が。苦しい。   オレの上に乗っかってくる玲央って。  ……男っぽい感じが急に増して。  本当に。ドキドキして。  なんかもう。……動けなく、なってしまう。  頬に、触れられるだけで、びく、と体が震える。  だってもう――――……玲央にされると、自分がどうなるか、分かってるから。 「――――……ここでしていい?」  ちゅ、と頬に、キスされて聞かれる。 「――――……っ……ケーキ……食べないの?」 「んー……ケーキか……食べたい?」 「う、ん。だって。……せっかく玲央が買ってくれた……」  なんか、有名なお店の限定のケーキだって。  すごい豪華なケーキなのに。   「――――……」  玲央が、オレの足を挟んだ形で膝をついて、手を伸ばしてフォークを持った。切り分ける前のケーキに、フォークをさして。自分の舌の上にケーキを少しだけのせる。 「――――……」  もし、かし、て。  思って、ドキドキしまくってると。  瞳を緩めて笑いながら。玲央の舌がオレの口に入ってきて。 「ん」  と玲央に言われて。……食べて、てこと、だよね。  ――――……うー……。 「……ん……」  舌、動かして。  それを、口の中で、受け取る、とか。  ……はずかし――――……。  心臓のバクバク音は、最大で。  玲央に捕まってる手が、握り締めても、震えるのが分かる。 「……ん、ふ……っ……ぁ」  そのまま、深く深く、キスされて。 「……っん、ン…ふっ……」  舌が上顎をなぞると、ゾクゾクして――――……。  涙が滲む。 「……美味かった?」  そんな事を言いながら、キスを少しだけ外して、オレの顔を覗き込んで。 「……味、わかんないし……」  言ったオレに、ぷ、と笑う。 「――――……はは。かわい」  優しく笑いながら、そう言って。 「もー泣いてるとか……」  涙を舐め取られて。なんかもう、それだけで、ゾクゾクして。 「可愛すぎない? 優月……」  首筋にキスされて、びく!と震えてしまう。 「んー…… ケーキ……今、食べたい?」 「――――……っ……」  食べたいけど。  ……食べたいけど……。 「……あと、で……食べる…………」 「――――……ん」  ふ、と笑った玲央は、オレを抱き上げて、後ろのソファに乗っけた。 「少し待ってな?」 「……うん」  玲央は、さっきのフォークにケーキをのせて。 「ほら」  口の前に出されたケーキをぱく、と食べると。 「美味し……」 「後でたべよ。冷やしとく」  そう言うと玲央は立ち上がって、ケーキを持っていって。冷蔵庫にしまう気配。  ほんとに美味しい……。  口の中のケーキに感動しながら、食べ終えてると。  少し居なくなってた玲央が戻ってきた。  手には、枕?と――――……ローションとか色々……。  いつもは、訳が分からなくなってきてから、玲央が出すから。  なんかこんな素面で見ると。なんか生々しくて、恥ずかしい。   「しようぜ、優月……」 「…………うん」  玲央が持ってきた大きな枕をソファの端にぽい、と投げて。  その上に、倒される。 「――――……しよう、て言ってさ」 「……?」 「うんって優月が言うのが――――……嬉しいかも」  ふ、と笑われる。  ……そんな事言われると、何か、物凄く、恥ずかしいんだけど。 「…………」  なんて答えたらいいか分からなくて、オレに乗ってくる玲央を見上げていたら。クスクス笑って。 「……オレとしたいだろ?」 「――――……」  Xmasツリーのライトが、玲央を、何だか、物凄く綺麗に見せる。  ほんと……玲央、カッコいいなあ。綺麗……。 「……玲央」  玲央の肩にそっと手を置いて、少し自分の方に引いて。  ちゅ、とキスする。  いつもなら、すぐ、離しちゃうんだけど――――…………。  そのまま。もう少し、重ねる。  舌で、玲央の舌に触れたくて。  少しだけでも、と思って、触れたら。 「――――……っ」  めちゃくちゃ、乗りかかられて。  後ろの枕に押し付けられて、少しも動けない状態で、深く深く、キスされる。  舌が、オレの中、めちゃくちゃ舐めて。  息が出来ない位。  最近少し、キスに慣れてきて、息ができるようになったと思ってたのに。 「……ン、んっ――――……は……ぁ……ッン……」  ゾクゾクしたのが、奥から急に高まって。  舌が吸われた瞬間、背筋を駆け上がった感覚に、びく!と震えてしまった。  なんかもう、意味が分からない。  ――――……何、今の。  頭、動かない。  玲央の手が下に降りて行って、完全に反応してるオレのに、玲央が触る。 「今、少しイッた……?」  首に舌を這わせながら、玲央が、そんな風に言う。  ズボンの上から触れられているだけなのに、もう、辛いし。 「最近ますます感じやすいなー……」 「わか、んない……」  玲央を見上げてたら、涙が溢れて来ちゃって。 「……急に真っ白で……びっくり、した……」 「――――……」  ああ、もう……と玲央が呟いて。   今度はゆっくり舌を絡めながら、下を少しだけ、刺激してくる。 「……その気にさせすぎるとさ……ケーキ、明日になるけど……?」 「――――……ん……っ……」  ズボンの上から少し触れられてるだけなのに。  熱が、上がってく。  もう、体中、どう触られても、気持ちよくて。  ゾクゾクして。  もう、今なんて。  涙を拭かれてるだけなのに。ぞく、と震える。 「……もう……いい」  ぎゅ、と抱き付く。 「……明日、食べる……」  もう無理。  涙目で、玲央を見上げたら。 「――――……可愛くてたまんねえんだけど、優月……」  なんかそういう事を言ってくれる、玲央の顔が。  ほんとに優しくて。   胸がきゅ、と締め付けられる。  玲央が自分のシャツのボタンを全部外して。 「手入れて。抱き付いていいよ」  くす、と笑いながら、オレの手を、その中に引き寄せる。  そのままそっと、背中に、手を回す。  ――――……熱い。玲央の体。  なんか。  ……熱くなって、くれてるんだなって思うと、嬉しくて。  ぎゅう、と抱き付いた。  目が覚めたらベッドの上に居た。  玲央が、隣でオレを抱き締めたまま、眠ってて。  あれ。いつ運ばれたんだろう、なんて思うけど。  なんか、よく思い出せない。  慣らされて。ゆっくり、入って来た玲央が。  わざと時間をかけて、オレに、もっとしてって、言わせて。  めちゃくちゃに気持ちよくなっちゃって、思い出したくない位、おかしくなりながら求めたら。  そこからいきなり激しくされて。  ――――……あとはもう。 気持ちいい、しか無くて。  ……ほんとにもう、気持ち良すぎて。  そのまま。ふうって、どこかいっちゃいそうで。  なのに、玲央は全然離してくれなくて。  ……とか言うオレも、離してほしくはなくて。  …………やっぱり、ベッドに来たのがいつか、思い出せない。  ちょっと激しすぎて、思い出すと、羞恥で死にそうになるので。  このまま、忘れよう……。  思わずしかめ面になりながらそう決めて、よし、と玲央にすり寄って寝ようと思ったら。クスクス笑う玲央に、ぎゅー、と抱き締められた。 「あれ? 起こしちゃった?」 「オレ、寝てなかったから。優月がぴくぴくしだして起きそうだから目をつむってみただけ」 「ずっと起きてたの?」 「お前が落ちてから、1時間位しか経ってないよ」 「……ずっとそのまま?」 「お前のことは、拭いたけど?」  クスクス笑う玲央に、「あ、また……ごめんね」というと、「イイよ、いつもの事だし」とまた笑われる。 「拭いた後は、顔見てた」  その言葉に、え、と見上げると、玲央はクス、と優しく瞳を緩めて、見つめ返してくる。 「……少し前まで死ぬほどエロいのに、めちゃくちゃ無邪気だからさー。ギャップが可愛くて、ずーっと見ちゃうんだよな……」 「………………っ」 「……起きた後は困った顔して悩んでるし。……ほんと面白ぇな、優月」  また、ぎゅ、と抱き締められる。 「何悩んでた?」 「……ベッドにいつ、来たのかなあって」 「ああ――――……覚えてないのか、お前」  抱き締めてる玲央の体が、少しだけ、優しく揺れる。 「……ソファで、ちょっとトんじゃったんだよ。ぐったりして、呼んでも返事なくて。まだ途中だったし。抱き上げて、ベッドに連れてきてる間に戻ったから、すぐ続きしたけど」 「――――……っ……」  ……うん……思い出せなくて良かった。  恥ずかしくて死ぬとこだった。  ただでさえ。  なんか色んな事言わされたのに……。  顔、熱いな……。 「また真っ赤んなってるだろ」 「――――……」  胸の中なのに、なぜ……。  返事もできないでいるのにもう、オレが真っ赤なのは確定しているみたいで。 「触ってるとこが熱い」  クスクス笑われる。  そのまましばらく、抱き締められていたら。  玲央が、ふと。 「――――……ケーキ……明日、皆でクリスマスする? したいなら、聞いてみるけど」 「勇紀達?」 「ん」 「うん、聞いてみよ」  皆とパーティ、楽しそう。 「食べきれないしな、あれ」 「うん。すっごく大きいもんね」 「まあ……ちょっとフォークで、つついちゃったけどな」  ふ、と笑う玲央に。  ……ケーキを挟んでのキスを思い出して、また固まっていると。 「……? 優月?」  オレの顔を上げようとしたのか、頬に触れられて。  ぴく、と玲央の動きが止まる。 「……また熱いし。何?」 「……フォークで……ケーキ……」 「――――……うん。ああ、キスした?」  クスクス笑う。 「……玲央、って……なんで恥ずかしくないの?」 「――――……さあ」 「慣れてるから……? オレも慣れれば、恥ずかしくなくなるのかな?」  むー、でも慣れるまでに心臓がすごい大変そうなんだけど……。  なんて思ってた時。  体勢を変えられて、ひょい、と玲央の上に抱き上げられてしまった。  下から、玲央に見上げられてる感じ。 「玲央……?」 「――――……」  そっと、手を頬に置かれる。 「オレ……あんな風な事すんの、優月が初めてだけど」 「――――……」 「食べてる時にキスしたり、食べさせたり? したことないよ」 「――――……」 「だから、慣れてないし」 「――――……」 「……こんな風な体勢で抱き締めるとかも、慣れてないよ」  まっすぐ見つめられて。  ああもう……。  鼓動が激しすぎて、体の奥の方がきゅー、と締め付けられすぎて。 「…………好き、玲央」  言うと。  玲央が瞳をめちゃくちゃ優しくするので。  引き寄せられるみたいに。  キスした。  今度は。触れるだけ、みたいな優しいキスを。何度も返してくれて。  頬や額にも、キスされて。    それから、両腕で、むぎゅ、と抱き締められて、玲央の上に寝かされた。 「――――……慣れてる事もあるけど…… 付き合って、2人ですることとかは…… 多分ほとんど、慣れてないし」 「――――……」 「……慣れてても、優月とするのは初めてだから全然違うし」 「――――……」 「全部、結構ドキドキしながら楽しんでるし」 「玲央、ドキドキしたりするの?」  思わず、少しだけ顔を上げて、玲央を見ると。   「……当たり前だろ。すげー好きだし」  またむぎゅ、と抱き締められる。 「――――……」  ……あ。  ――――……ちょっと。  今。ドキドキ、してるかも。玲央。  くっついてる裸の胸から、少し早い鼓動が伝わってくる。  なんて思ったら。余計ドキドキしてきて。  髪に触れてる玲央の顔に。  何となく、すり、とすり寄って。  そしたら、ふ、と笑った気配がして。  玲央が肩が出てたオレに、布団をすっぽりかぶせてきて、抱き締め直す。 「寝るか?」 「ん」 「明日な。……おやすみ、優月」 「――――……うん。おやすみ、玲央」  額にキスされて。瞳を閉じて。  そのまま眠りについた。  玲央と初めて過ごすクリスマスは、静かで。  ――――……なんだかほんとに。すごく、幸せだった。   ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 番外編♡クリスマスSSでした♡ 次ページは、「お正月」です♡

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