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第391話◇

【side*優月】  ラブホテル。行ってみたいなあと思った。行った事ないし。好奇心。  でも、玲央とくっついてる内に――――……何だか、いっぱいキスして、くっついてしまいたいって、思った。  家まで、まだ遠いし。  ――――……帰り道にあるなら。早く玲央とくっつきたい。って。  だから、行きたいって、玲央に言った。  実際ついたら、すごい緊張して、ドキドキして。  ――――……ラブホテルに行きたい、とかって、  イコールそういう事がしたいと言ってるようなもので。  そりゃ、オレ達恋人になって、そういう事、してるし。言ってもいいのかもしれないけど。  急に、すごいコト言っちゃったかもと、恥ずかしくなって、ドキドキして。部屋に入るまでもすごい緊張して。  ――――……そしたら、入ったら、何だか、モデルルームみたいな空間。  なんだかかなりホッとして。  明日の朝食を頼むとか、玲央がすごく普通だし。  お風呂が大きくてジャグジーがついてるとか。窓が大きくて、さっき歩いてた海が見えるとか。何だか普通に楽しくなってしまって。  すっかりここがどこだかしばらく忘れ果てて楽しんでいたら。  後ろから、密着して抱き締められた。  あ。  ――――……そうだ、ここ。ラブホテルだった……。  でも別に玲央は怒ったりしてる訳じゃなくて、面白そうな顔でオレを見て、微笑むだけ。  ――――……優しくて、胸が、きゅん、とする。  ムードとか何もなく、探検とか言われちゃうオレで、ちょっとごめんねと思って。――――……キスするか、聞いてみた。    玲央はいつもそうだけど。  こんなオレでも、そういう雰囲気に、すぐ持って行ってくれて。  甘すぎる位。優しいキスをしてくれる。  初めてキスした時も気持ち良かったけど――――……。  何回もしてる内に、もっと、気持ちよくなってきてる。  玲央は、オレが気持ちいい所を完全に分かってて、キスしてくるし。  オレも、どう返せばいいか、少し、分かってきた、ような……。 「……っ……んっ……ふぁ」  そんな気がするんだけど――――……。  でもやっぱり玲央のキス、当然、何倍も上手、で。 「……ん……ン……っ」  は、と息を求めて少し離した唇を、また塞がれて。  あれ、また息、出来ない……。  「……ん、ふ……――――……」  ぼーっと、頭に靄がかかっていって、瞳を開けても、涙が零れそうになってて、全然玲央の顔がはっきり見えない。 「……ぅ……ンっ……」 「――――……っ……ゆづき――――……」 「……ん、ん?……っふ……」 「風呂行こ」  またしても、ひょい、と抱っこされてしまって。  むぎゅ、と玲央に抱き付く。 「――――……優月、キス好き?」  歩きながら、玲央がそう聞いてくる。 「うん……玲央とするの、好き」  迷わずそう答えると。   「好きそうに見えて、ほんとに可愛い」  笑み交じりで言われて。  ……好きそうに見えるってどういうことだろうと、すごく恥ずかしいけど。  クスクス笑う玲央が優しいので。  更に、ぴったり、抱き付いてみた。          

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