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第393話◇※

 それからまた、胸に触られて。  なんか、少しでも気を抜くと、声が漏れてしまいそうになる。 「……れお、胸……」 「ん……?」 「も、やめ……」 「気持ちいいだろ……すげえ、ビクつく……」  可愛い、と囁かれて、唇にキスされて。  舌が深く入ってくる。 「ん、……っん――――……」 「優月……」  キスしながら、名を呼ばれる。  胸、指で刺激されて、喉の奥で喘ぎが漏れて。 「……っん、ぁ……」  くすぐったいような、気持ち良いような。  薄く瞳を開けると、玲央の瞳と絡んで。  胸のドキドキが、さらに大きくなって――――……。 「……優月」  名前――――……呼ばれるだけで、なんか、溶けそう。 「……玲央……」  名前を、呼べるだけで、なんか幸せだな、と思う。 「……大好き、れお……」  見つめて、そう言うと。  ふ、と笑う唇がまた重なってきた。  キスと一緒に胸に触れられて、その内、胸から離れた玲央の手が、ベルトを外して、ズボンの中に入ってくる。 「……ん、ぁ……っ……っあ――――ン……」  だめ、だ、これ……なんか、玲央の触り方、やらしすぎて。  頭真っ白で、何も考えられない。  キスを外して、俯いて、唇を噛みしめる。   「――――……ん……ん……っ」  噛みしめてないと、声、すごい出ちゃいそうで。  なのに、玲央は。 「声、我慢しなくていいよ」  そんな風に言って、噛みしめた唇を舐めてくる。  そのまま、キスされて、解かれて。 「……っん、ぅ… …… っあ……!」  引き出されて刺激されて、もう意味が分からなくなってる内に、玲央の手でイってしまった。 「っ…………え……」  自分でもあんまりに早過ぎてびっくりして、キスしてる玲央を呆然と見つめてしまう。視線に気づいた玲央が、ふ、と笑って少し離れた。 「……優月? どした?」 「……あの……」 「うん?」  洗面所に置いてあるペーパーで手を拭きながら、玲央がくす、と笑った。 「早……くない? オレ」 「――――……」  オレの言葉に、玲央は一瞬きょとんとした顔をして固まって。  それから手で口元軽く押さえながら、く、と笑った。 「……気持ち良かったんだろ?」    そう言いながら、すごく楽しそうに笑って。 「オレは優月が気持ちいいって顔してんの、すげえ好きだから、いいんだけど」  そのまま、ぺろ、とオレの涙を舐め取る。 「ん、ん……」  それにすら、ゾクゾク、してしまう。  いちいちビクついてると、玲央が、く、と喉の奥で低く笑った。   「――――……なんか、ビクビクしてて、エロイな、優月……」 「……っ」  ……オレがもしそうだとしても、絶対玲央がやらしいせい……。  涙目で訴えていたら、どうやらまるごと伝わったみたいで。 「まあオレがそうしてるんだけど」  と、クスクス笑われた。 「優月、可愛くて。オレ、ずっと触ってられるかも……」 「…………」  ずーっと触られてたら、死んじゃうかもしれない……。  心臓が耐えられなくて……。  そんな事をぼんやり思いながら。  オレを見て、目を細める、玲央の視線を受けとめると、ますます優しく笑われてしまう。

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