399 / 822

第404話◇

「卵もパンもコーヒーもスープも、とにかく全部美味しかったー」 「ん。良かった」  ほんと、美味そうに食べてたな。まあいつも通りだけど。  クスクス笑いながらオレもコーヒーを飲み終えた。   「ごちそうさまでした」  優月が手を合わせながら、オレを見て、「もう出る?」と聞いてくる。 「歯磨いたら出るか。出勤の車に巻き込まれない内に着きたい」 「うん、分かった。お皿とか、このままでいいの?」 「ああ」  優月が立ち上がって、椅子を戻す。 「玲央、歯磨こう」 「ん? ああ」  立ち上がって、隣に並ぶと。 「昨日一緒に磨くの楽しかったから」  なんて、笑う。 「そうだな」  クスクス笑ってそう返しながら、優月の頭、撫でると。  嬉しそうにまた笑う。  並んで歯を磨きながら、話せないので、何となく優月を見ながら。  朝早くに起きて、しばらく密着してくっついて、朝食べて一緒に歯を磨いて、これから早朝ドライブして、そこからまた学校一緒に行って。  ――――……やっぱりなんか、すげー健康的。  そりゃ学生だし、早起きも必要だったら最低限はしてきたけど。  大体、気分悪いというか、眠いの堪えながらの、不機嫌というか。  だるいなーと常に思いながら、早起きをクリアしてきたから。  この健康的な早起き、もしかしてこのまま優月と居るとずっと続くのかな、なんて思うと、不思議でたまらないけど。  あ ――――……少し、寝ぐせ。  優月の髪の毛、ホワホワしてるとこを左手の指先で直してると、優月がちょっと不思議そうに、笑う。 「ん?」  首を少しだけ傾げて、オレを見上げてくる。  一度、口の中の泡を吐き出して。 「ここ、寝ぐせ」  言ってからまた歯ブラシをくわえて磨きながら、また髪を弄ってると、優月は鏡の方を見て、オレの触れてたとこに気付くと。うんうん、と頷いた。  優月は先に口を漱いで、タオルで顔を拭きながら。 「ここ、よく跳ねるの」 「知ってる」 「あ、知ってる?」 「ん」  そんなやりとりをしてクスクス笑い合いながら、歯磨きを終えた。   「玲央、オレのここ、気になる?」 「いや? 別に気になんない。寝ぐせなのかそういう髪なのか、微妙なとこだし。可愛いから良いけど…… どーする? 直してやろうか?」 「え。あ、うん」  ふんわり笑って頷くので、少し水を付けてから、ドライヤーと、置いてあったブラシで直してやる。 「ついでにちょっと、弄っていい?」 「? うん」  髪を梳きながらドライヤーを当てて、少し、流す。  元々サラサラしてる髪だから、ほんと、触ってると気持良いと言うか、可愛いというか。 「オレ、玲央に髪触られるの、すごい好きなんだよね……」 「……そうなのか?」 「うん。優しくて、大好き」 「――――……ん」  よしよし、と撫でる。  オレはお前の髪触るの、すげー可愛いから、大好きだけど。  なんて思いながら、なんかほんと柄じゃなくて、苦笑が浮かぶ。 (2022/2/20) ちょっと、更新についてお知らせ。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 今、他サイトに転載してるんですけど、ついでに、誤字脱字変な文章やセリフチェックして直しながらしています。なので、そういうのがあった時は、そのページの上書き作業をしてるんですけど…。もしかして、更新で通知がいっちゃうのかもしれない…?  古い話の更新が来ても、修正してるだけなので、スルーしてくださいね(;^ω^) しばらく色々直しがつづくと思います。

ともだちにシェアしよう!