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第427話◇
「玲央、どこ行くの?」
「ちょっと外階段」
「あ、うん」
腕を取られて、多分、非常階段なのかな。ドアを開けるとすぐ外階段で。
2人で、並んで、階段に座った。
階段はあまり明るくないけど、下に、色んなライトが見えて。
「ここ結構キレイだね」
「ん? ……ああ、そうだな」
オレを見てた玲央は、ふ、と下を見て。
くす、と笑った。
「皆と何話してたの? めちゃくちゃ盛り上がってたね」
オレがそう聞くと。
「昨日もデートしてたんだろ、どこ行ってたの、とか。毎日一緒に寝てんの、とか。まあなんか、根掘り葉掘り聞かれてた」
「答えた?」
「適当にな? 全部なんて言わねーし」
クスクス笑う玲央に、ふ、と微笑む。
「楽しそうだったね」
「疲れるけど。オレこういうの人に話した事、ほとんどねーし」
玲央の言い方に、ああ。なんか、それっぽいね、と笑ってしまう。
と。ふと。
そっと、頬に触れられて。
玲央をまっすぐ見つめたら。
「――――……」
ゆっくり、綺麗な顔が、傾いて。
見惚れてる間に、優しいキスが。重なった。
触れるだけのキス。
瞳が伏せられた表情も。綺麗。……カッコいいな。
「――――……」
顎に触れられて、少しだけ下に引かれて。開いた唇に舌が触れる。
――――……ドキドキが……激しすぎるんだけど、オレ。
「――――……」
どうしよう、と、玲央の服を握り締めたら、玲央がふ、と瞳を開けて、オレと見つめ合って。すぐに、優しく緩んだ。
更にどきん、として、思わず、顔を引いて、唇を離してしまった。
「――――……優月?」
「……っ」
ドキドキどころじゃなくて。
ドクドクしてる。
「顔、赤……」
オレを見つめてた玲央に、くす、と笑われて。
ますます顔に熱が――――……思った瞬間。
肩に回ってきた腕に引き寄せられて、さっきよりも密着した状態で、キスされる。
「――――……ん……っ」
さっきと違う、舌が絡む、濃厚なキス。
そうなるともう、何も考えられなくなる。
しばらくキスされて。
離れされると、はぁ、と息が零れる。
そのまま、玲央に抱き締められる。
「……優月」
「――――……ん?」
「――――……なんか、オレ……」
「……ん?」
「――――……お前が見えてるのに離れてると、すげー触りたくなるんだけど」
「……え」
「……毎日一緒に居るのに、ヤバい気がする…」
笑みを含んだ、ため息と共に言われて。
何て答えるのがいいのか、迷うけど。
――――……嬉しくて。
「――――……」
顔を上げて、玲央にゆっくり、キスした。
なんだかな。玲央。
……ほんとに、愛しすぎて。もうなんか。どうしたらいいのかわからない。
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